オペラハウスの屋根 | ワシントン通信 3.0~地方公務員から転身した国際公務員のblog

オペラハウスの屋根

 世界で最も有名な建築物のひとつ、シドニーのオペラハウスを見てきました。貝殻を何枚も重ねたような、あるいは帆船の帆のようなあのオペラハウスの白い屋根は、写真やテレビで何度も目にしていましたが、実際に見るまでは真っ白なんだろうと思っていました。近づいてみると、その屋根はいくつもの小さな四角いタイルを張り合わせて出来ていることが分かります。しかも、光の屈折を考慮してか、光沢のある白いタイルと、光沢のない少し灰色がかった二種類のタイルが交互に並べられています。太陽の光に照らされると、ちょうどタイルの目地の部分が、金色に光って見えるような気がしました。このオペラハウスの屋根のタイルは、過去10年間で、たった5枚しか張り替えられていないそうです。

シドニーのオペラハウス このシドニーのオペラハウスを設計したのは、Utzonさんというデンマーク人の建築家です。1956年に、32カ国から233のエントリーがあった国際コンペで選ばれたそうです。しかし、極めて斬新なデザインだったため、実際の建設にはかなりの苦労が伴い、結局Utzonさんは完成させられずに、道半ばでシドニーを去ったそうです。それから、オーストラリアの何人かの著名な建築家たちが仕事を引き継ぎ、建設が始まった1959年から実に14年後の1973年に、ようやく完成したそうです。

 当初は7百万ドルの建設予算でしたが、建設の遅れによるコストの上昇もあって、実際は約15倍の1億2百万ドルもかかったそうです。設計者が投げ出そうが、何年かかろうが、しかもこれだけコストが嵩もうが、その都度その都度対処策を見出し、一度やろうと決めた仕事を最後まで成し遂げた関係者の熱意と努力には頭が下がります。1億2百万ドルというのは確かに高い買い物でしょうが、シドニーのシンボルとして世界中からこれだけの観光客を集めているという事実を見ると、悪い投資ではなかったのではないでしょうか。ちなみに、建設費には宝くじの売上が充てられたということです。