「お酒さえ飲まなければ、いいひとなんだけど」



子供の頃に聞いた母親の言葉です





わたしの父親は毎日お酒日本酒生ビールリキュールを飲んでは

くだをまいていました



同僚の悪口

会社の悪口

ご近所さんの悪口

親戚の悪口



それが終わると

家族に当たり散らします



手が出ないだけマシ

お酒さえ飲まなければいいひと



そう言って

母親はずーっと父に付き合っていました





そうなんだショボーン



よそのお家はもっと大変なんだって

○○さんちのお父さんは殴るんだって

それに比べれば、うちはマシな方なんだって



ガマンできないわたしは

とってもダメな子なんだ

もっとちゃんとガマンできるように

母ちゃんみたいにならないといけないんだ



子どものわたしはそんな風に考えていました





だけどね

そのお酒のせいでしなくてもいいガマンを

わたしはたくさんしてきた



母親は「お酒さえ飲まなければ」って言ってたけど

たしかに彼女にとってはそうだったかもしれない



だけど、わたしにとっては違った



お酒を飲む父親がキライだった訳じゃない



酔っ払ってくだをまく

悪口ばかり言う

大声を出す

他人に迷惑をかける

わたしを睨みつける

そして、お酒を使って私たちを試す



それがたまらなく嫌だった



母親の価値観と

わたしの気持ち



あの頃は

どうしたらいいのか

どちらが大切なのか



乗り切るためには口をつぐむことしかないと思っていたけれど



それが最善だと教えられたし

それしか知らなかったけど



いつもなにか違うと思っていました





えらい‼︎



すごい‼︎



ちゃんとわかっていたんだね



すごいよ、わたし



ガマンできないことはガマンしなくていい

イヤなことはイヤだって言っていい

親の価値観は引き継がなくていい

そんなものは捨てていい



やっと子どもの頃のわたしを抱きしめることができる気がしますおすましスワン