読売マイラーズカップGII  🏇💨


日曜日(4月21日)
京都競馬場
☆芝1600m外
4歳以上オープン
国際
別定
優勝馬に安田記念GI への優先出走権を付与

春の京都競馬の開幕週日曜日、メイン競走は上半期マイル王決定戦に対する有力な前哨戦からスタート。6週間にわたり春の開催が続く。昨年は長きに渡り改修工事の実施により休止だった京都開催が久々にグランドオープンというワクワク感が有ったが…

東京、大阪等に本社を置く読売新聞社が現在唯一JRAの競走に寄贈している読売マイラーズカップGII。マイラーズカップの創設は1970年の事。その当時は中距離、長距離が主流であり、短距離戦は軽んじられていた。その短距離戦をより充実させるべきという目的で、マイル戦の重賞競走の創設となった。当時はグレード制導入以前の事であり、番組構成上安田記念の前哨戦として立っていたが格の上下は無かった。因みに競走名に読売が加わったのは1974年より。当初は読売杯マイラーズカップだった。読売マイラーズカップとなったのは1980年。1984年には下半期マイル王決定戦となるマイルチャンピオンシップGI が創設されたが、当初はその役割をこのマイラーズカップが担う案も出ていたらしい。
創設当初は春の阪神開催にて行われていた。先ずは開催の後半での施行だったが1981年より開催の前半に。2000年からは高松宮記念GI、安田記念GI 等の施行時期の変更により再び開催後半に移った。2012年より長年定着していた阪神競馬場から舞台を京都競馬場に移して現在に至る。
1984年に導入されたグレード制により、当初よりGII に格付。GI に格付された安田記念の前哨戦としての立ち位置を秋のマイル王決定戦としての立ち位置が取れなかった代わりにしっかりと掴んだのだった。

〜 マイラーズカップ 主な歴代優勝馬 〜

・ トウメイ ・ タイテエム ・ キタノカチドキ ・ カツラノハイセイコ ・ ニホンピロウイナー ・ ダイタクヘリオス ・ ニシノフラワー ・ ノースフライト ・ エガオヲミセテ ・ マイネルマックス ・ ローエングリン ・ ダイワメジャー ・ カンパニー ・ グランプリボス ・ イスラボニータ ・ インディチャンプ ・ シュネルマイスター  etc……

☆ ベストマイラーのフーちゃん

昨年JRAの調教師試験に合格した面々の中に、史上初(NARでは既に存在)女性の合格者が含まれている事が話題となった。もしかするとその際、これから取り上げるノースフライトの担当厩務員の事を思い出したオールドファンも少なくなかっただろう。
さて、ノースフライトだがあまり長くなかった現役生活の中で、当時の換算で5歳だった1994年の活躍は特にマイラーとして特筆すべきものだった。
同馬が最初に表舞台で活躍を示したのは1993年の秋だった。そもそもデビュー自体が大幅に遅れていてそれは同年五月、当時設けられていた4歳(現3歳)未出走戦、舞台は春の新潟開催での事だった。デビューから2連勝、一つ挟んで向かったのが当時マイル戦だった府中牝馬ステークスGIII だった。実績の多くがローカル開催でのもの、更に大幅な格上挑戦ながらこれを制すると次走当時4歳牝馬限定だったエリザベス女王杯GI へ。ベガが圧倒的な人気に支持された中、優勝したベガはベガでもホクトベガの②着に入って存在感を存分に示して翌年の更なる飛躍に繋げた。1993年秋は距離不問の活躍を見せたが1994年はマイル戦に絞っての活躍を示した。先ずは現在芝1400m外を舞台としている、当時マイル戦だった京都牝馬特別(現京都牝馬ステークス)GIII(同年は阪神競馬場での施行)を優勝すると次走同年は中京芝1700mでの施行となったこの読売マイラーズカップGII を優勝。前年からの重賞3連勝で勇躍安田記念GI に向かうと居並ぶ海外からの参戦達を向こうに回して見事に優勝した。これで名実共に当時のベストマイラーの存在になったが秋にスワンステークスGII ②着から臨んだマイルチャンピオンシップGI でサクラバクシンオー以下を下して春秋マイルGI 制覇に。この競走の優勝馬として名を刻んだ面々の中に有って、90年代を代表する特に牝馬に限ればニシノフラワー、本競走では優勝して居ないがシンコウラブリイ等と共に名マイラーとしてその名を残した。
因みにノースフライトの渾名として有名なフーちゃんは前述した担当厩務員がそう呼んでいた事がキッカケで広まったとされている。この厩務員はその後オークス馬も担当、また調教師となる夢も抱いていた、とされている。

☆ 復活の勝利も……

昨年の 読売マイラーズカップGII はグランドオープンした京都競馬場を舞台に行われ、1番人気のシュネルマイスターが優勝した。独産まれの同馬は昨年は5歳。NHKマイルカップGI の優勝馬で3歳秋のマイルチャンピオンシップGI、4歳春の安田記念GI の双方で②着をマークするなどの実績を持っていたがNHK〜以後勝ち鞍を挙げて居なかった故にこの読売マイラーズカップGII は復活の勝利だった。次走は期待された安田記念GI だったが③着。マイルチャンピオンシップGI は⑦着に終わり現役を引退した。


☆ 読売マイラーズカップGII ℳ𝑦.注目馬 🏇💨

・ ソウルラッシュ(牡6) 一昨年のこの競走を、1勝クラスからの3連勝で臨み優勝した。次走安田記念GI は惨敗したがその後マイル戦線でまずまず安定した戦績をキープ。昨年のこの競走は③着、秋は京成杯オータムハンデキャップGIII 優勝で久々の勝ち鞍を得て臨んだマイルチャンピオンシップGI ではナミュールにクビ差の②着、香港マイルGI は④着。今年の初戦がこの読売マイラーズカップGII という事に。自身の一昨年の様な勢いが感じられる上がり馬は見当たらず、秋に頂点を極めて現在トップマイラーとなっているナミュールがローテーションの関係でここには出走しないなら、優勝は兎も角馬券圏内には入る可能性が高そうである。