アメリカジョッキークラブカップGII 🏇💨

優勝  チャックネイト(騙6) 3番人気
タイム  2.16.6(不)
1番人気  マイネルウィルトス(牡8) ⑤着

ℳ𝑦.注目馬  チャックネイト(騙6)  ①着  3番人気

 


☆ 力の要る舞台で接戦を制して……


長きに渡ってGIIクラスを中心に渋い活躍を続けて来たベテラン勢に、中堅からベテランの域に入らんとするここに来て戦績も高値安定、GII 競走であればタイトル奪取も夢ではないという6歳騙馬が争覇圏となった今年のアメリカジョッキークラブカップGII。12頭立ての一戦は前日夜半からの降雨(レースの時間帯には治まっていた)の影響により不良馬場。風は然程でも無かったとはいえ、暮れからの連続開催の最終日という点も含めて非常にタフな馬場状態の下で行われた。

逃げるのは恐らくショウナンバシット(牡4)と思われ、最初のホームストレッチ、急坂を駆け上がりつつその気配も漂った印象だったがハナを叩いたのは人気の古豪の一角、以前新潟競馬場で不良馬場の下行われた福島民報杯Lを圧勝した実績も持っているマイネルウィルトス。ショウナンバシットは2番手追走、マイネルウィルトスが刻んだ1000m通過タイムは 62.2 秒、不良馬場を考慮すれば平均ベースのそれだった。ショウナンバシットから少し間を置く形の3番手にℳ𝑦.注目馬のチャックネイトが、ホームストレッチでは掛かり気味だったが外回りのバックストレッチ通過辺りではそこそこ折り合いが付いていた。古豪の一角GIIクラスでは安定株といえるボッケリーニは隊列の外目5番手辺りに付けていた。

直線では逃げていたマイネルウィルトスが馬場の三分どころに出していた。内ラチ沿いを避ける格好で馬群は横に拡がっての攻防は先週の日経新春杯GII のハンデキャップ競走は寧ろこちらこそ、という印象にすら映ったか?! マイネルウィルトスの外に進路を取ったショウナンバシットは坂でやや失速気味。マイネルウィルトスの内をすくって伸びてきたのがルメール騎手に導かれたクロミナンス(牡7)。ボッケリーニはそれ等の外から漸進。力勝負に見事に対応し、勢いとしたら間違いなく先頭に出るのはコレと言わんばかりにボッケリーニは勝利に向かっていたが、ショウナンバシットとボッケリーニの間を割るような形で坂を駆け上がったチャックネイトは一度は先を譲っていたボッケリーニに喰らいつく勢いで突き進むとゴール前ほぼ勝利を確信させていたボッケリーニと並び、写真判定となる。ゴール板を駆け抜けた後はチャックネイトの方が前に出ていたそのままの流れでハナ差先着はチャックネイトに軍配が上がった。

チャックネイトは一年前のこの時期には中京開催で2勝クラスを勝ったという条件クラスの馬だった。オープン入りを決めたのはその後昨秋の東京開催での六社ステークス(3勝クラス・東京芝2400m)。オープン入り初戦のアルゼンチン共和国杯GII でゼッフイーロ(次走香港ヴァーズGI ②着)の③着に入ってこの路線での活躍に目処をつけての年明け、日経新春杯GII との両睨みで前走②着だったマイネルウィルトスと同じく此方に向かった。前述の通り馬群は凝縮してのゴール板通過というハンデキャップ競走の様な接戦、特にボッケリーニが押し切らんとした刹那並び喰らいついたチャックネイト、ハナ差決着を制したという接戦はこれ、GI 競走だったとしたら名勝負間違いなしというそれに値する。ボッケリーニは 一昨年の目黒記念GII 等重賞競走を三つ制しているが前走のチャレンジカップGIIIを含む今回が通算7度目、その前の京都大賞典GII を含めて3戦連続の重賞競走②着というシルバーコレクター振りも発揮している。⑤着に敗れたマイネルウィルトスも含め、ことGII 以下の中長距離戦であれば堂々の主役を飾る面々と言えそうだ。天皇賞春GI、大阪杯GI という春のGI 競走では厳しくとも、日経賞GIIや目黒記念GII 等であれば、順調に調整された上での出走でまたも争覇圏に入りそうなのは容易に想像出来るところ。ただ今回ハナ差とはいえ見事に自身重賞初制覇となったチャックネイトには大舞台にチャレンジして欲しいところだが……