高松宮記念GI  🏇💨


日曜日(3月24日)
中京競馬場
☆芝1200m
4歳以上オープン
国際
定量

先月フェブラリーステークスGI が行われたので上半期最初のGI 競走という表現ではそのフェブラリーステークスGI が該当する。ただそれに続いて次々と行われるという流れではないため、また二月は晩冬故に春季のと言うのには無理がある。となると春のGI シーズン到来を告げる最初の競走となるとこの高松宮記念GI という事になる。2017年からは大阪杯GI がGI に承認されており、皐月賞GI までの四週間は毎週日曜日に平地のGI 競走が行われる形をとっており、そこまでが一応春季前半のGI 戦線という形である。
そんな春の到来というか、すっかり春にどっぷりと浸かっているこの季節、3角外ラチ沿いの大寒桜が咲き誇る桶狭間の電撃六ハロンをめぐる舞台で熱い戦いが展開される。秋のGI ロードもスプリンターズステークスGI によって幕が切って落とされるが春も同様、スプリントGI からの幕開けである。

この競走の創設はと言うと、1971年6月となっている。初夏の中京開催での事だった。前年まで中京大賞典として行われていたが、その1970年に高松宮宣仁親王より優勝杯が下賜されたのを機に高松宮杯に改称されたのが始まり、創設という形となった。舞台は同年より設定された芝2000m(前年までの中京競馬場には芝コースは設定されておらず、砂コースだった)。当時はグレード制は導入されておらず、また近い時期に行われていた宝塚記念も当時はその歴史が創設十年程度で名目上は上半期グランプリ競走ではあったが高松宮杯も負けず劣らずに初夏の中距離王決定戦たる名目も受けていた。
その役割は1995年まで担っていたが、1996年にJRAはその略称使用から凡そ十年経過という時期と重なっていたタイミングでいくつかの大きな改革が進められた。その一つに上半期のスプリント王決定戦の創設があった。天皇賞春GI 等が行われる俗に言う3回京都開催に続く西日本の開催を阪神開催から夏の中京開催と順序を入れ替え、初夏の中京開催四週間に。その幕開けを飾る形で高松宮杯が置かれた。それだけではなく、前年まで芝2000mだったものを芝1200mに変更、これこそが上半期スプリント王決定戦の舞台となったのだ。因みに同開催での芝2000mGII 競走は金鯱賞が受け継いだ。それはとりもなおさずに上半期グランプリ競走宝塚記念GI の前哨戦としての役割を担ったのだった。
1994年の牡馬クラシック三冠馬ナリタブライアンも参戦しての1996年高松宮杯GI は当時の中京競馬場に於ける入場者数レコードを大幅に更新しての施行となり、フラワーパークの優勝で幕を閉じた。以来上半期スプリント王決定戦としての立場を保ち続け現在に至っている。尚高松宮記念GI に改称されたのは1998年より。2000年からは三月の中京開催最終日に移設されている。その施行週は三月最終日曜日となるのが通例であるが、3月24日に行われる今年はそれより一週間前となっている。

〜 高松宮記念・高松宮杯 主な歴代優勝馬 〜

・ タケデンバード ・ ハイセイコー ・ イットー ・ トウショウボーイ ・ ハギノトップレディ ・ ハギノカムイオー ・ メジロモンスニー ・ オグリキャップ ・ メジロアルダン ・ バンブーメモリー ・ ダイタクヘリオス ・ フラワーパーク ・ トロットスター ・ ビリーヴ ・ ローレルゲレイロ ・ キンシャサノキセキ ・ カレンチャン ・ ロードカナロア ・ ファインニードル  etc……

☆ 史上最強スプリンターは?!

上記の歴代優勝馬のうち、フラワーパーク以下がこの競走がスプリント戦として行われた際の優勝馬達である。その面々としてピックアップした馬たちは少なくともこのレースを含めてスプリントGI 競走を2回以上優勝した事を条件としたので、悲願達成のキングヘイローや小田切珍名ホースのオレハマッテルゼ等は割愛した。
それはさておき、スプリントGI 2勝以上となれば概ね歴史に残るスプリント王者といって過言では無い面々となる。然し史上最強のスプリント王として声が上がるのは大抵ロードカナロアかサクラバクシンオー、最近ではグランアレグリアの名も挙がり、他では種牡馬としてもまずまず活躍しているキンシャサノキセキ、といったところだろうか。ここでその論争をするのは控えたいが、まあこの桶狭間の電撃六ハロンの中で、その最強馬として挙がるのは当然というところであるのは間違いなかろう。

☆ 波乱の立役者はこれが……

昨年の 高松宮記念GI は天候が小雨だったが前日から降り続いていた事もあって馬場状態は生憎の不良を余儀なくされた。レースは確たる主軸の存在が無く混戦模様。先の要素も有って波乱の決着も大いに想定されていた中でその決着は大波乱レベルに。優勝したのは12番人気の7歳牡馬ファストフォース。同馬は前走シルクロードステークスGIII で②着も10番人気。それまでの主な実績はCBC賞GIII(小倉芝1200m)優勝などだったので、人気薄も致し方がなかったところ。同馬はこのGI 優勝が結果的にラストランとなった。


 ☆ 高松宮記念GI ℳ𝑦.注目馬 🏇💨

・ ルガル(牡4)  明け4歳勢が期待を裏切るケースが目立っている今シーズンだが、この馬は前走出世レースのシルクロードステークスGIII を完勝した。雄大な馬格は目を引くものがあり、重馬場も克服した。道悪で行われるケースが目立つこのレースでは其れもアドヴァンテージとなるかも知れない。