ホープフルステークスGⅠ  🏇💨


12月28日(木曜日)
中山競馬場
☆芝2000m
2歳牡馬牝馬限定オープン
国際
定量

12月28日に今年のJRAの競馬開催最終日、中山競馬場のメイン競走として行われる2歳中距離王決定戦である。
2014年、秋の2歳戦線に手が入れられた。その際大きな動きを見せたのが朝日杯フューチュリティステークスGⅠ を中山競馬場から阪神競馬場へ施行場を移したと同時に前年まで阪神競馬場で行われていたラジオNIKKEI杯2歳ステークスGIII を逆に中山競馬場に移した。その際競走名を ホープフルステークス に変更、施行時には格付がGII に格上された。尚前年までオープン特別競走として有馬記念GI 当日に行われていたホープフルステークスは発展的消滅という形となり、本競走とは関連していない。中山芝2000mの競走という同じ条件に映るが夫々いと為すものである。

故にこの競走の創設は2014年、もとい1984年となっている。ややこしいが前述の通りラジオNIKKEI杯2歳ステークスGIII が〜というくだりからすれば当然であるが、2歳(当時の換算では3歳)戦の変遷をモロに影響を受けている重賞競走なのである。
創設の前年である1983年まで、3歳馬の頂点を決める指針となっていた競走は朝日杯3歳ステークス、阪神3歳ステークスの二鞍だった。朝日杯3歳ステークスは当時中山芝1600mを舞台として行われていて、阪神3歳ステークスは阪神のマイル戦だった。何れにも牝馬は出走可能であった。
東西で3歳馬の頂点を決める戦いという形だったが、優勝馬の多くは牡馬でそれは即ち牝馬が牡馬を蹴散らしてというのが難儀な傾向だった。
その為、当時の3歳牝馬達の目標となる舞台を設ける事となった1984年、偶然だったが何れもメディア関連企業(放送局)の冠を付した重賞競走が創設された。東日本サイドはテレビ東京賞3歳牝馬ステークスGIII、そして西日本サイドがラジオたんぱ杯3歳牝馬ステークスGIII だった。距離は何れも芝1600mだった。
1991年、前年までのやり方が改められた。
阪神3歳ステークスGⅠ を牝馬限定戦に変更、阪神3歳牝馬ステークスGⅠ となった。それと同時にラジオたんぱ杯3歳牝馬ステークスGIII は牝馬限定戦から牡馬 騙馬向けのものとなり、距離を芝2000mに延長してのラジオたんぱ杯3歳ステークスGIII となった。2001年には馬齢換算を国際基準とする為3歳は2歳と扱われ、その結果ラジオたんぱ杯2歳ステークスGIII に変更された。2006年からは2004年に日本短波放送が日経ラジオ社に、それに伴い局名がラジオNIKKEIとなったことを受けてラジオNIKKEI杯2歳ステークスGIII に変更。その結果本競走は ラジニケ(杯) と略して称される事がファンの間で広まった。

90年代、特にその中盤以降次第に早くから中距離戦を意識的に使い、クラシック戦線に向かう傾向が強くなって行った。それはサンデーサイレンス産駒が旋風を巻き起こすかの如く勢力を伸ばして行ったのと重なっている。一方で早熟性が強いとされていた外国産馬達もジャパンマネーが強かったバブル景気の並にも乗って旋風を巻き起こしていた。当時外国産馬はクラシック競走への出走が許されておらず、前述した早熟性の高さも相俟って朝日杯3歳ステークスGⅠ への出走に有力な外国産馬が向かい、クラシック戦線を目指す有力馬達はほれを敬遠する傾向が顕著となって行った。またその傾向は当時の朝日杯フューチュリティステークスGⅠの舞台だった中山芝1600mが枠の優位差が見られていたという点も遠因となっていたともされていた。
そういった背景もあり、2014年に行われた改革が進められたといって過言ではなかった。詰まり中山コースほど枠の優位性が強くないとされた阪神競馬場に朝日杯フューチュリティステークスGⅠ を移動、その代わりにラジニケ杯を中山競馬場に、となった…とされた。
ホープフルステークスは2017年にGⅠ への昇格が同年中に承認され、施行時にはGⅠとなって現在に至っている。その結果、暮れの中山開催と阪神開催でつごう三つの2歳GⅠ 競走の設定となり、最優秀2歳牝馬は兎も角、牡馬のそれはより難解な選出条件となった格好である。

〜 ホープフルステークスGⅠ 主な歴代優勝馬(2017年〜) 〜

・ タイムフライヤー ・ コントレイル(クラシック三冠制覇、ロンジン賞ジャパンカップGⅠ ) ・ ドゥラエレーデ  etc……

〜 ホープフルステークスGII ラジニケ杯 主な歴代優勝馬(1991年〜2016年) 〜

・ ナリタタイシン(皐月賞GⅠ ) ・ タヤスツヨシ(東京優駿GⅠ ) ・ メジロブライト(天皇賞春GⅠ ) ・ アドマイヤベガ(東京優駿GⅠ ) ・ アグネスタキオン(皐月賞GⅠ ) ・ ザッツザプレンティ(菊花賞GⅠ ) ・ コスモバルク(シンガポール航空国際カップGⅠ 、皐月賞GI ②着 ) ・ ロジユニヴァース(東京優駿GⅠ ) ・ ヴィクトワールピサ(皐月賞GⅠ、有馬記念GⅠ、ドバイワールドカップGⅠ ) ・ エピファネイア(菊花賞GⅠ、ジャパンカップGⅠ ) ・ ワンアンドオンリー(東京優駿GⅠ ) ・ レイデオロ(東京優駿GⅠ、天皇賞秋GⅠ ) etc……

クラシックホースという、錚々たる面々が優勝馬としてその名を刻みまくって来た格好だ。

☆ 伝説のラジニケ杯‼️

2000年のラジオたんぱ杯3歳ステークスGIII こそ、その 伝説のラジニケ杯 として相応しいと思われる。20世紀最後のラジオたんぱ杯〜 は優勝したアグネスタキオンの、後に結果を知って見つめ直すと正に横綱相撲という内容であり、1番人気で③着のクロフネ、ダービーを制することになるジャングルポケットは②着。クロフネは外国産馬につき翌2001年は皐月賞GⅠ への出走資格が無かったが、アグネスタキオンを核とした三頭を中心としてのクラシック戦線への大きな期待がふくらんだ。

☆ 大波乱決着‼️

昨年の ホープフルステークスGⅠ を優勝したのはフルゲート18頭立て14番人気のドゥラエレーデが優勝し、三連単 2,466,010 円という大波乱決着を呼んだ。ドゥラエレーデは札幌ダート1700mで初勝利をマーク、東京スポーツ杯2歳ステークスGII ④着からの臨戦と言うこともあり狙いが立てづらい存在だった。また3歳となった今年のドゥラエレーデは先ずダート向きの可能性が高いと言う事からUAEダービーGII に出走、デルマソトガケの②着。その次には芝のダービー、帰国しての東京優駿GI に出走したが競走中止。秋は朝日杯セントライト記念GII ⑧着を経てダートのチャンピオンズカップGI で③着に。


☆ ホープフルステークスGⅠ ℳ𝑦.注目馬 🏇💨

・  シンエンベラー(牡2)  デビュー戦を勝ち、2戦目の前走はラジオNIKKEI杯京都2歳ステークスGIII を優勝。その末脚は秀逸だからクラシック戦線でも相応の活躍が期待出来るところ。またこの秋行われた3つの2歳GI 競走の優勝馬は全て前走重賞優勝でGI 制覇は無敗で、というステップだからこの馬も優勝すれば同じパターンとなる。だがレース傾向からはこのタイプの優勝は難儀とされており、これ迄と異なる先行抜け出しの走りを期待せねばならないか?!