日曜京都競馬11R
芝1600m外回りで行われる
4歳以上オープン重賞競走
(国際・別定)
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%82%BA%E3%82%AB%E3%83%83%E3%83%97
優勝馬に安田記念GⅠへの優先出走権が付与される。

安田記念、ヴィクトリアマイルGⅠの前哨戦としての側面を持つ、短距離ホースたちにとって大変重要な立ち位置を持つ本競走は1970年に創設された。当初は主に阪神競馬場で行われていた。1974年より読売杯マイラーズカップに、1980年より現在の名称となっている。格付けはグレード制導入時よりGⅡ。舞台を京都競馬場に移したのは2012年より。其れにより春の阪神開催の最終週(2000年より、高松宮記念GⅠの開催時期変更に伴って、それ以前は現在の阪急杯GⅢが行われている春の開幕週にて)から同じく京都開催の開幕週へと変わった。

☆ マイラーからオールマイティーの名牝へ
創設の1970年、そして翌1971年の優勝馬はトウメイ。牝馬クラシックを惜敗からその翌年本競走を制して重賞初制覇、その後骨折を挟んで本競走の連覇。更に1971年秋には牝馬東京タイムス杯優勝から芝3200mだった天皇賞・秋を制し、暮れの有馬記念も優勝して啓衆社賞年度代表馬にまで輝いた。後にノースフライトが芝2400mだったエリザベス女王杯GⅠを2着し、後に本競走や安田記念、マイルチャンピオンシップGⅠを制覇してマイルの女王と言われたが、トウメイこそが元祖マイルの女王という印象があったのは本競走を連覇した事(当時マイルチャンピオンシップは存在せず、安田記念も一介のハンデ重賞競走に過ぎなかった。しかも当時は八大競走などを除くと現在程東西の交流が盛んではなく、関西馬だった同馬は安田記念には出走していない。)が大きかった。然し前述の通り後に天皇賞を制して距離についてはオールマイティーとなっていた。

☆ 稀代のマイラー
1985年優勝のニホンピロウイナーはクラシック競走で惨敗したもののグレード制導入により整備されたマイル路線で大活躍を果たした。マイルチャンピオンシップGⅠの連覇をはじめとしてほぼほぼマイル戦を当時独占してみせた正にマイル王だった。

☆ 騎手一家のデビュー初勝利
1997年優勝のオースミタイクーンは人気薄での激走。鞍上の武幸四郎騎手(現調教師)は同年デビューで其れは本競走の前日の事。また本競走の勝ち鞍が初勝利に。同馬を管理していたのが武邦彦調教師は幸四郎の父、また兄の武豊騎手は本競走の当日行われた報知杯弥生賞GⅡを制した、騎手一家(武邦彦も騎手出身)が纏めて優勝に関与した日となった。

☆ その笑顔は忘れられず
1999年優勝は牝馬のエガオヲミセテ。キョウエイマーチやエリモエクセルといったGⅠホースたちと覇を競い合った競走生活の中で獲得した2つの重賞勝ちの内の一つが本競走だった。長く更なる活躍を期して放牧に出された先で火災事故に巻き込まれてこの世を去った。調整不足などでここ一番での敗北や出走回避も目立った同馬は最期も残念な結末に終わったのは切ない。サイレンススズカのレースでの事故が起きて半年程経過した時期に当たる事で、当時競馬ファンとして離れた方々のその要因にもなったとされている。

☆ GⅡ優勝ホース
2003~2005年の優勝馬は2004年のマイソールサウンドを挟んでローエングリンが2度優勝。両馬共にGⅠを勝てずに終わった複数回GⅡを制した馬としての実績を詰んだ。マイソールサウンドは本競走に阪神大賞典GⅡと距離についてはオールマイティーだった。ローエングリンはGⅡならほぼ勝ち負けという、関東馬ならでわの実力馬だった。

☆ 逃走馬
前出のサイレンススズカを代表とする逃げ馬は意外とその数は多く語られない。何がなんでも逃げて高い実績を残すのが以下に難儀なことなのかを示す格好だがサイレンススズカの場合はその類まれなスピード力を以てして自然と逃げる形となっていて、終いの脚も大いに評価に値した。
そんな数少ないとされる逃げ馬として本競走を2011、2012年と連覇したシルポート。同馬の場合は「異なる競馬場での同一重賞競走連覇」という珍記録も成しえた。これは2011年までは阪神競馬場で、翌2012年より京都競馬場での開催がレギュラーで行われたという事から。因みに入れ替わりに京都競馬場から阪神競馬場での競走となったアンタレスステークスもゴルドブリッツが同じように連覇しており珍記録となった。

☆ レコード勝ち
2014年、ワールドエースが屈腱炎を乗り越え復帰しての2戦目だった本競走を1分31秒4という破格のレコードで駆け抜けた。昨年サングレーザーが鋭い追い込みで本競走を制したその時計はコンマ1秒上回ったレコード決着。その後札幌記念GⅡを制するなど中距離に活路を見出したサングレーザーの当時は稀代のマイラー候補だった。

 
☆ 少頭数も
https://umanity.jp/sp/racedata/graderace/0043/racecard.php?type=k&mode=1#racecard_menu
昨年の安田記念優勝モズアスコット、2歳王者だったダノンプレミアム、年初のマイル重賞勝ち馬達も登録しており、安田記念への前哨戦としての価値は十分に満たしうるメンバーで行われる模様だ。