アメリカに引っ越したので、アジア不動産の話はちょっと置いといて、アメリカ不動産の話です。
住んでいるのはロサンゼルス郡トーランス市で、アメリカでは治安が非常に良い方です。


写真のチラシを見てください。戸建ての値段ですが、すごく高いでしょうw
60万ドルなら7200万円です。ロサンゼルスは人口350万人くらいで、アメリカ第二の人口の都市です。
どうしてこんなに高いのか?単純にインフレが起こっているからです。そのうち詳しく書きますが、物価の判定は所得を考えないといけません。タイの地方で戸建を買うと、結構な家でも300万円くらいで買えたりします。でも月収は3万円、仕事の時給は100円くらいです。チェンマイや、バンコクでも少し首都府の中心部から外れると600万円~1000万円程です。

ここロサンゼルスでは、バイトの時給が15USD(1800円)くらいです。ざっくり日本の倍です。所得が二倍なら、経済感覚・物価感覚は1/2ですね。
60万ドルの家は、アメリカ人にとっては日本人の30万ドルくらいの感覚になるのです。
そう考えると、戸建てが3600万円ならそう高くないでしょ?
僕の出身の北九州市でも少しグレードの高い家はそのくらいします。
あるいは、円高が続いていてドル・円が60円ならやはり3600万円です。つまり国力を維持するには、所得が二倍になっているか、あるいはドル・円を60円でキープしておく必要があったという事ですね。
僕は前者が正しいと思います。「正しい経済は微インフレ」です。

日本の経済感覚(あるいは豊かさ)はこの20年ちょっとの間で先進国の半分になってしまいました。
老後を物価の安いタイやカンボジアで過ごしている人は多いです。なぜなら物価が安い・・・そのままです。今、日本の地位は昔よりずっと新興国寄りです。
アメリカ人から見ると、日本の物価はすごく安く見えるでしょう。だって、所得が2倍あるんですからね。
日本は物価も高く、不動産の価格も高いという話は、とうの昔に終わっていて今は幻想です。どちらかというとかなり貧乏になっています。
面白い事に、アメリカ人は「日本に旅行に行きたいが滞在費が高いから・・・」と言います。そこで僕は「狭いが安くて清潔なホテルなら一泊50ドルで泊まれるよ」(東横インとかね)と教えると、「本当か?」と非常にびっくりします。
彼らもまた⑳何年前の幻想を引きづっているのです。