【⑩アーベントロートの23

牡 5/17

父  :アジアエクスプレス

母父 :フジキセキ

クロス:なし

厩舎 :栗東・佐々木厩舎

募集額:22000/口 総額1100万円

 

※馬体写真や歩様動画などの情報は、京都サラブレッド様および撮影した権利者様等に権利が帰属します。それらの詳細は京都サラブレッド様の各募集馬詳細ページにてご確認ください。  

 

 

 

 

 

-血統-

京サラで募集されたオリエンタルキングの全弟、ケーヴァラの半弟にあたります。ともに中央では勝ち上がれなかったものの、オリエンタルキングは地方2勝して再転入、ケーヴァラも好走自体はできていたので、地方移籍して再転入を狙っている最中です。

父アジアエクスプレスは2013朝日杯を制していますが、3歳春以降はダートにシフトし、レパードSで勝ちを収めています。産駒はダートでの勝ちが多いですが、割合で見ると芝の勝率の方が高く、単に出走させないだけで芝でもやれる可能性はあります。現に代表産駒のピューロマジックが芝で結果を残しているわけですし、配合次第ではやれるのでしょう。

母アーベントロートは中央の芝2勝馬で、スプリント戦で活躍していました。社台ファーム生産馬なので、その点では良血と言って差し支えないと思います。産駒は母ほどスプリンターに寄っているわけではなさそうで、スプリント色の強い種牡馬でなければ1600くらいまではこなせると思います。

母父フジキセキは現役時代、無敗で朝日杯と弥生賞を制してクラシックでも活躍が期待されていましたが、残念ながら屈腱炎で引退してしまいました。種牡馬入りしてからはコンスタントに重賞馬を輩出し、リーディングサイアーとはならなかったものの、健在の間は毎年のようにリーディング上位に顔を出していました。母父でもそれは変わらず、繁殖入りした産駒が増えてきてからはだいたいTOP10の成績を収めています。母父としては芝ダート問わず活躍馬を輩出していますが、全体で見るならダートの方がやや良い成績を収めています。

地方馬ですが7/8同血であるトゥースパークルは南関の1400-1600で活躍、中央馬で3/4同血かつ母母父Mr. Prospector系のアジアノジュンシンはダート12003勝しており、中にはそこまで振るわない産駒もいますが、父×母父の相性に関しては特段悪くないでしょう。ただ、父父ヘニーヒューズの産駒は硬めの馬が多いイメージでアジアエクスプレスもその印象がありますし、母父フジキセキも自身は柔らかかったようですが、産駒にはそこまで伝わっていない感じなので、あまりにもカチカチに出るとちょっと良くないかもしれません。

 

 

-馬体-

トモはしっかりしているものの、測尺の数字のわりにちょっと胸回りの幅が物足りない気がします。とはいえ、馬体重との関係については腹回りやトモのほうに詰まっていると考えることはできそうですし、体高があるので背から腹までに厚みがあり、胸囲の数値が大きくなったと考えることもできそうです。もう少し胸回りに筋肉がつく余地はありそうですが、繋ぎの角度を見ると芝の可能性もありそうなので、そこまでゴリゴリのマッチョである必要もないかもしれません。

 

 

 

-測尺-

5月生まれとは思えないような数値です。アジアエクスプレス自身がかなりの大型馬でしたし、全兄のオリエンタルキングも500㎏台の馬なので、おそらくこの馬もそれくらい大きくなると思います。管囲もしっかりしているので、その重さに耐えることはできそうです。

 

 

 

-歩様-

硬いか柔らかいかなら硬いと思います。トモの踏み込みはしっかりしているので、十分に詰まっていそうです。もう少し柔らかければ芝でもと感じますが、これだけだとダートだと思います。

 

 

 

-厩舎-

栗東・佐々木厩舎は京サラ募集馬だと、アクシノス/アリストロシュ/スレッドザニードル/ファータビアンカの管理厩舎です。出資馬が適性なさそうな条件のローテもあって未勝利のまま地方転籍になっているので個人的に思うところはありますが、厩舎全体の成績については公平に評価したいと思います。とは言ったものの、今年はラムジェットで重賞を制していますが勝率はあまり高くなく、やや成績が下降気味かなと感じてしまいます。一時期は30勝にも手が届いていたので、比較するキャリアが悪いのかもしれませんが。かつてはキズナ/アーネストリーなど芝での活躍馬を輩出していましたが、ここ2年くらいはダートでの勝ちが多い印象です。当馬はおそらくダート馬に出ると思うので、その点は問題なさそうです。

なお、佐々木調教師は20262月に定年を迎えるため、当馬は少なくとも3歳春には転厩が発生する見込みです。……だったら、現時点で転厩先がどこになるのか読めるわけがないし、2歳から32月までの成績で語るべきなのでは?

というわけで、過去3年の成績を確認しましたが、

全年齢/芝:25-27-33-314         ダート:26-15-17-186

2歳新馬/芝:1-0-1-19          ダート:2-1-2-6

2歳未/芝:2-3-2-17           ダート:1-0-0-12

21/芝:1-0-0-1           ダート:1-0-1-2

2歳重賞/芝:0-0-0-2            ダート:なし

3歳新馬(2月まで)/芝:0-1-0-2     ダート:1-1-0-1

3歳未(2月まで)/芝:1-1-2-16      ダート0-0-1-10

31勝以上/芝:1-0-0-42月まで)

31勝以上/ダ:ヒヤシンスS 5
 

という結果でした。年齢を問わなければダートの方が好成績なのは見てわかると思いますが、2歳戦だと新馬と未勝利で露骨に傾向が変わるという、ちょっとよくわからないことになっています。新馬から条件(芝⇔ダート)を変えて未勝利を勝ち上がった馬は、32月までと限定しない場合でもキリンジのみなので、条件を変えるようなローテの場合は結果を出せないとあまり良くない傾向かもしれません。私の出資馬もそういうローテだったので、書いててちょっと悲しくなりました。

血統や繋ぎ的には芝でも可能性がありそうですが、馬格や歩様を考えるとダートっぽい印象なので、とりあえず新馬戦はダートでメドをつけてくれるなら良いかもしれません。条件を変えないほうがいい成績ですが、芝でもやれそうなら芝にシフトしてくれても結構だと思います。しかし、新馬戦ではダートの成績がいいのに未勝利だと芳しくないのは何故なんでしょうか?芝のようなパターンなら理解ができるのですが。


 

 

-募集額-

遅生まれのわりに馬格がありますし、あまりにも硬すぎたり絞れなさすぎるというようなことがなければ堅実に稼いでくれると思います。ただ、調教師の定年で転厩が発生するので、転厩以後に関してはさすがに読めません。評価を保留したいところですが、現厩舎のタイミングで勝ち上がれるようなら回収はできると思います。

 

 

 

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アジアエクスプレス産駒はピューロマジックが重賞を2勝していますが、OP以上だと芝よりもダートの方が通用する馬が多く、また距離も1700以上のほうが良さそうです。当馬にはちょっとギリギリの距離でしょうし、(関西は1600がないので)1400以下だと他の快速ダート種牡馬産駒相手に負けないスピードがあるかどうかが焦点になりそうです。個人的には距離をこなすほうが可能性はあると思います。もし芝馬だった場合は見えないというより読めません。

 

 

 

-総評-

血統 :☆☆☆+

距離 :1000-1600 たぶんダート

馬体 :☆☆☆+

測尺 :☆☆☆☆

歩様 :☆☆☆

厩舎 :☆☆☆

募集額:☆☆☆

夢  :☆☆☆

総合 :☆☆☆+

出資欲:▲

 

ちょっと硬く出ていそうな点は気になりますが、それ以外の点については特に問題なさそうで、なんというか無難な感じだと思います。ほぼ間違いなく転厩を経験するので、転厩後の厩舎や成績がどうなるか想像しづらいですが、とりあえず現厩舎の間に勝ち上がることを期待したいです。

 

 

 

※当記事の内容はあくまで個人的な見解であり、高評価馬の活躍を保証するものではありません。一口馬主クラブの募集馬への出資は自己責任であり、どのような結果になったとしても当方は責任を負いかねます。