「食べてもいいし、食べなくてもいい」
この言葉、どこかで聞いたことはありますか?
子供の摂食障害に関するブログなどを読んでいらっしゃる方は、どこかで目にしたことがあるかもしれませんね。
先日、母親カウンセリングをスタートされたばかりのクライアントさまからこんなご質問をいただきました。
以前あるブログを読んでいたら、
【食事を摂らない子に「食べてもいいし、食べなくてもいいよ〜」と言うといい。】
と書いてあったので娘に優しくそう言ったら、すごく怖い顔で睨まれて「ママには私の気持ちがわからない!」と言って泣かれてしまいました。
何が悪かったのでしょうか?
何だかそれから信頼されなくなってしまった気がしています。
そうですよね。
それがいいのなら、すぐにやってみたい。
そう思いますよね。
でも、上手くいかなかった。
それぞれのカウンセラーさんや医師の考え方があるので、決してそれがダメとか悪いとか、そういうことではないのですけれど、
この「食べてもいいし、食べなくてもいい」という言葉の使い方について、今日は私の考えをお伝えします。
お母さんの内心では食べてほしいと懇願しながら、「食べてもいいし、食べなくてもいいよ〜」と言葉だけ言っても、お子さんの心には何も響かないし、お母さんは私の気持ちを分かろうとしていない!と感じてしまうのも仕方ないと思うのです。
だってね、
お子さんは食べたくても食べられないのですものね。
心を塞いでしまうほど迷っているのですものね。
食べたい、でも、食べれない…
どうしたらいいんだろう
と悩み苦しんでいる時に
「食べてもいいし、食べなくてもいいよ〜」
と言われたらどんな気持ちになるのだろう…と想像すると、私は胸がちょっと詰まるような気持ちになります。
食べられずに苦しんでいるお子さんは、
食べられるなら、食べてるし
食べなくてもいいなら、悩まない!
って感じるのではないでしょうか。
私は、その「食べてもいいし、食べなくてもいい」という言葉は、
お子さんに向けて発する言葉ではなく、お母さんご自身の心の中に言う言葉だと思っています。
もちろん、食事を制限して痩せ細っていく我が子を見ていて心配にならない親はいませんね。
だから、もちろん食べさせたいという気持ちになりますよね。
でも、そこで心の病を治すために敢えて子供の心に気持ちを向けて寄り添い応援していく覚悟をするのであれば、表面上の「食べる、食べない」に親がこだわり続けるのではなく、
この子の心の内側に私の心を向ける!
という覚悟が必要になります。
我が子の心に寄り添う中でお母さんご自身の心が不安で気持ちがブレそうな時に、ご自分の心に「食べてもいいし、食べなくてもいい!」と言い聞かせ覚悟する必要があるのです。
「食べてもいいし、食べなくてもいい」
この言葉は、お母さんご自身の心を整え直すための言葉だと私は思っています。
そして、私のクライアントさま方にもそのように伝えています。
母親カウンセリングを受けていらっしゃるお母さま方は、以上のようにご自身の心に勇気づけの言葉をかけながら、お子さんの摂食障害克服への道を歩んでいらっしゃいます。