みなさんこんにちはKeiです。
救命救急センターが設置されている病院で医療ソーシャルワーカーとして働いている社会福祉士8年目です。
社会福祉士取得後、最速で認定医療ソーシャルワーカーと救急認定ソーシャルワーカーを取得しました。
毎月5,000PV以上のソーシャルワーク関連のブログやX (フォロワー1,900人以上)などを発信しています。
本日は『ソーシャルワーカーが報われない理由は「ポジション取り」が下手だから』といったテーマを書きたいと思います。
ソーシャルワーカーの仕事を否定しているのではなくて、事実を淡々と書き殴ります。
生々しい話になるので、メンバーシップ限定の話になります。
『収入』は「市場」と「希少性」で決められる
少し身も蓋もない話から始めます。
「収入」というものは、「労働量」で決まるわけではありません。
「どれだけ忙しく働いているか」や「どれだけ大変なケースを抱えているか」は、ソーシャルワーカーの収入と関係が紐づかないことを、現場のソーシャルワーカーであれば承知していると思います。
#出来高の職場とかあるの?
収入を決めているのは、もっと冷たい要素で「市場」と「希少性」です。
どの「市場(ゲーム)に参加しているのか」。そして、その中でどれだけ「替えが効かない存在」になれているか。
この二つで、ほぼ決まってしまうのです。
たとえば、「今から電話ボックスをもう一度普及させます!」と叫んだところで、スマホに勝てる未来はありません。
どれだけ情熱があっても、市場そのものが縮小していれば、評価も報酬も伸びようがないのです。
今日の話の焦点は、「市場の選び方」ではありません。
市場を選んだ先にある、「替えが効かないソーシャルワーカーになるにはどうすればいいのか(=収入が上がる)」という話です。
一般人が追いかけている数字を、そのまま追いかけてしまうと、目的地が同じになります。
すると、そこに至るルートも簡単にコピーされてしまい、結果として「替えが効く人材」になります。
この構造は、ビジネスの世界にとどまらず、ソーシャルワークの現場でも、まったく同じことが起きています。
当たり前の話ですが、自分が参加するゲームは、きちんと選びましょう。
私の場合は、まだまだ実力不足で市場を選べる力がありません。しかし、「収入があがる条件」は理解しているので、そこに向けてコツコツ努力を重ねています。
#「知っている」と「知らない」の差は大きい
#これを俗に「知識不足」と呼ぶ
医師が高収入になる理由を説明できると、ソーシャルワーカーの収入が低い理由がわかる
さて、「こんなに頑張っているのになんで私たち(ソーシャルワーカー)は報われないの……?」と思ったことはありますか?
私はめちゃくちゃあります。
クライエント、組織、行政、地域などの間で、良くも悪くも板挟みを誘発させるので、異なる意見をすり合わせるプロセスに言葉にできないほどの労力を費やします。
「面接」の仕事だけを切り取っても、同じ面接なんてひとつもありません。
「トマトが好きな人」と「牛肉が好きな人」の話を聞いて、「では、ハンバーガーを作ったら2人ともWin-Winですね」といった綺麗な流れの面接ばかりではありません。
「生のトマトはいいけどケチャップは無理です」「牛肉は国産でお願いします」「それならBLTサンドが良くないですか?」といった個別性を突き詰めていたら、いくら時間があっても足りません。
#このたとえ話通じてます?
こんなに頑張っているソーシャルワーカーの収入が低い理由を、私はこれまで「ソーシャルワーカーとしての能力が低いから」と思い込んでいたのですが、色々なことを勉強していくにつれて、そうではないことを知りました。
#残酷な話になります
サービスの価値は、「能力」ではなく「ポジション」で決まります。
どんなに専門性が高くても、以下のポジションが弱ければ、評価も報酬も上がりません。
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どの文脈で
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どの役割として
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誰の意思決定に、どう関与しているか
これは市場原理でも、組織原理でも同じです。
医師とソーシャルワーカーを比較してみるとわかりやすいです。
医師の収入が高いのは、単に医学知識があるからではありません。「診断し、方針を決める」という、意思決定の中枢に立っているからです。
#業務独占資格
検査、看護、リハビリ、薬剤……それぞれ高度な専門性を持つ職種が関わっていても、最終判断を下すポジションにいるのは医師です。
つまり、医師は能力が高いから評価されているのではなく、意思決定の上流に配置されているから報酬が高いという構造です。
一言で言うと「ポジション取り」がめちゃくちゃ良いのです。
逆に言えば、どれだけ優秀でも、どれだけ現場を回していても、意思決定の外側に置かれた専門職は、評価も報酬も伸びにくいということになります。
#みなさんも胸に手を当てて考えてみましょう
ソーシャルワーカーの組織におけるポジションを「市場」という視点で見てみると……
ソーシャルワーカーが置かれてきたポジションは、多くの場合「判断の実行者」や「調整役」というポジションです。
勘のよい方は気づいたかもしれませんが、ソーシャルワークは「意思決定そのものはクライエントがする」という構造になっています。
ここに、「頑張っているのに報われない」という感覚の正体があります。
伴走を得意とするソーシャルワーカーの専門性は、「市場」という視点でみると希少価値は高くないんです。
多くの組織で、ソーシャルワーカーは次のポジションに置かれています。
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サービスの橋渡し
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連絡調整
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「困ったときに呼ばれる人」
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医師の苦手な領域をフォローする
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「医学モデル」ではなく「生活モデル」の視点
このポジションの共通点は何かというと……
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意思決定の上流にいない
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成果が数値化・可視化されにくい
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代替可能に見えやすい(ソーシャルワーカーが必ずやる必要はない)
結果として、「重要だけど、いなくても回る存在」という扱いになり、賃金テーブルも上がりません。
#名称独占資格の辛いところ
「社会福祉士の賃金を上げんかい!!!」と声を上げても、「市場」という視点で見たとき、社会福祉士のポジション取りは壊滅的に弱いです。
看護師や薬剤師など、他の専門職が国と賃金上昇に関する交渉を重ねている一方で、社会福祉士はその最後列に並ぶ時間が長くなりそうです。
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