今日の歌 初春偶感 一月七日(土)
今日の歌
初 春 偶 感
*あらたまの年な来経にそ吾身すでに消えゆかむもの 雪にさも似て
*あらたまの年な来経にそ吾身には雪の驕りを避く術(すべ)も無く(推敲後)
*うす紅に染むゆうぐもを遠くして春や近づく風を微温まし
(微温まし=ぬるまし)
*古き佳き歌の集へる書ひとつ呆けつつ読めり 岡井隆を
(書=ふみ)
*頬染めて読み耽りたる啄木の歌集の紙魚のあともなつかし
(紙魚=しみ)
*散乱とせる部屋なかに佇みて越し年月のわが様を見る
(年月=としつき)
*いく夜さをわが恋ひぬればひさかたの朝の光りのかくも眩しき
*音も無く灯に衝り居り褐色の羽震ひつつ冬の迷ひ蛾
(衝り=あたり) (褐色=かちいろ) (羽=はね)
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