実は
この話がきた時、武術指導担当だったので
美人な女優さんに(女優はみんなキレイなのだ!)教えられたらイイなぁ~
なんて淡い期待をしていましたが
世の中はそんなにオイシイ話はありませんでした。
で(男の)役者さんへの鎖鎌の指導としては
鎖の回し方や絡め方などの基本的な事を指導し、
あとは自主練はに励んでもらうことにしました
(女優さんの場合とスタンスが違うやろ!)
肝心なのは舞台上でお神楽のように鎖鎌を使うと言うシーンです。
(自分のことだけか!)
基本としたのは、我が水鴎流(正木流)の鎖鎌の技と記したのは前回の通り、
で、
黒澤監督の映画、『夢』に踊りの指導に入っていた日舞の先生を呼んで組み立てる事になりました。
ですがさすがに日舞の先生も鎖鎌を扱った事がありません。
結果、アタシが考えた中国武術、縄標とのコラボ案でいくことになりました。
ヤッホー!
合計3回ほど、我が道場で振り付けを組み立てました。
その頃だったか助監督さんから
『実は小泉監督は居合抜きの有段者ですよ』
と言うことを聞かされました。
えええー!!
聞いてないよ!
段位は4段だという。
早速、監督に訊ねると
流派は夢想神伝流。
そして、その世界では有名な壇崎先生に習ったとのこと。
【夢想神伝流 故・檀崎友彰 範士九段】
ここで各ある武道の流派の中で私を指名した理由が分かりました。
武人には武人が分かるんですね~
その後、監督の最終チェックが東宝で行われました。
これは殺陣の部分も含め総合チェックです。
まず、役所さん、岡田さんの殺陣のシーンです。
当たり前ですが、殺陣のシーンの振り付けは殺陣師が行います。
「さすがだなぁ~」
と思ったのは、役所さんも岡田さんもほとんど1、2回見ただけでその動きを覚えてしまうことです
ここが大根役者か千両役者かの違いなんでしょうね~
監督さんは何も言わず手持ちぶさたそうに立って見ています。
で、何気なく小泉監督の横へ行って一緒に見ていると
監督さんがボソッと
『殺陣と武道は違うからね~』
と言います。
さすがは巨匠!
映画と実戦を立て分けています。
このように更に驚かされました。
しかし
このあと、私が出る村祭りのシーンで監督から
思いもよらない一言が飛び出したのです!
(大汗)
~続く~