前回のブログで

“座頭市”の撮影中、

死者が出た事件がありました▼☆▼

と書きましたのでその事件のことを少し、

(我が剣優では生徒さんにまず最初にする注意する最重要事項ですので)

 

 

1988年12月
勝新太郎氏が監督する「座頭市」の撮影中、

主役の奥村雄大(24)

(たけひろ:勝新太郎の息子)が降りかぶった

刀が後ろにいた役者兼殺陣師・加藤幸雄さんの
首に刺さり

意識不明の重体に→翌年1月死亡

 

この作品には久世七曜会に所属していた

友人のMさんが入っておりました。

(現在は引退)

 

ですがこのシーンには参加していませんでした。

 

七曜会仲間から聞いたその現場の模様は

血まみれで悲惨だったとか。

 

当たり前ですよね。

 

錦之介さんのように古武道をみっちり稽古した人ならまだしも

トーシローが粋がって真剣を使うとこういう結末になります。

 

現場でも『俺様は勝新の息子だ!』と言わんばかりに

横暴な仕草が多かったそうです。

 

しかもこの作品は彼のデビュー作!

 

粋がりも頂点に達していたのでしょう。

 

事情聴取ではスタッフが

『間違って真剣を渡してしまった!』

ことになっていますが、

真剣を間違って渡すようなバカなスタッフは映画界には

一人もおりません。

 

結局この事件はウヤムヤになり、

人、一人が死んでるにもかかわらず

映画もお蔵入りにはならず興行にかけられました。

 

なので、この事件を教訓に、我が『剣優』では

特に刀の振りかぶりの角度、

または刀の廻し方を最初に厳しく指導します。

 

さて

尾形伸之介先生に

『女優さんに殺陣を付けたことはありますか?』

とたずねたところ

中村玉緒さんに女子短剣を教えたことがあった』

と申しておりました。

 

そうです。勝新さんの奥様です。

 

「女子短剣」とは小刀を逆手(さかて)に持って戦う型で

よく忍者が構える形です。

 

【殺陣WSで元モー娘の小川真琴さんに

女子短剣を教えるアタシ

ちなみに小川さんが構えているのは真剣の脇差

ズシリと重いです】

 

この形の元は東映剣会時代に先生たちがあみ出した型で

勝新さんが座頭市で仕込み杖を逆手に持って敵を斬りまくるのは

玉緒さんのこの型を見て考案したのかもしれませんね。

(勝新さんは大映の俳優さんですので

東映の先生は一緒に仕事をしたことはなかったそうです)

 

~ 了 ~