天を恨みず人を咎めず


コインロッカーに置き忘れたお土産が消えた。

ああ、誰かに持ち去られたのだなぁ

とは思ったが、


忘れた私に非があるのであって
持ち去った人を恨む気持ちはなかった。

私は決して善人ではないが、
自分の非を棚に上げて
人を詰るような真似はしない。

ロッカーの奥にそれを見つけて
つい持ち帰った大量の菓子を前に
さてどう処理しよう???
と途方に暮れる人の姿を浮かべて…

少し笑えた。


そんな私の元に
JR東日本からメールが届いた。
お忘れ物チャットへの返信である。




私が置き忘れた荷物を
見つけた人が
茅野駅に届けたらしい。

当日、もちろんその可能性も考え
茅野駅に連絡を取ろうとしたのだが、
駅の電話はサイトでは検索できない仕組み。

全ての連絡がJR東日本で統括されていて
その忘れ物センターの電話は何度かけても話中で埒が開かない。

やむなく
お忘れ物チャット
への登録となったのだが

中一日置いての返信で
既に代品を送ってもらった後では
六日の菖蒲 十日の菊
である。


さて
来駅による受取
と言われても出向くわけにはいかないし
そのまま放置もできない(したくない)。

ふと茅野で一番親しく会話した人物に
代理人の依頼をすることを思いつく。

それは茅野駅のお土産店の男性で
一昨日、昨日と
忘れ物探索や再度購入する品のことや
発送連絡などで幾度も電話で話した人物。


彼に代理人を依頼すると
快く引き受けてくれ
受け取ったら着払いで送ってくれることになった。


必要不可欠な委任状は
JR東日本の様式に従って書いてfaxで送った。





近日中に遺失物が私の元に届く。

旅毎に土産を配る習慣はないが
今回は友人たちに失敗談と共に大盤振る舞い?


☆朝の珈琲、お供はオイコスに軽井沢ツルヤのナッツ蜂蜜漬け。







うさぎうさぎうさぎうさぎうさぎうさぎ

さて本日届いた再注文分は
孫と会って手渡しし
無事一件落着。

お茶して少しお喋りし彼はアルバイトに。


止みがての雨の中出かけ
強風に煽られながら向かって
帰りはよく晴れた。

やはり雨嵐のち晴れの日になった。

天を恨みず人を咎めず
その精神を全うできてよかった。


ところで
"恨みず"に違和感を感じる方もあるだろう。

私たちの言葉では"恨まず""恨まない"というところ
古文では"恨みず"。
そもそも漢文由来の文言だから"恨みず"なのだ。


教えていた生徒の中に
「先生、なんで昔の人は"恨みず"なんて変な言い方するの?」
と訊く者がいて

「それは逆でしょう。
昔の人が今の言い方を聞いたら『なんで"恨まず"なんて変な言い方するんだ⁉️』と言うでしょうね。」
と答えたものだ。

間違いやすいので入試にもよく出る。

古文では「恨む」は上二段活用、
未然形は「恨み・ず」となる。 
それが長い年月を経て五段活用に変じ
未然形は「恨ま・ない」となった。

言葉は時の流れの中でゆっくりと変じて行く。

清少納言だって
「今時の人は『むとす』と言うべきところ『むず』などと言う」
と嘆息している。
濁音を嫌ったものらしい。


それが面白かった時代を思い出したりした。



うさぎうさぎうさぎうさぎうさぎうさぎ

今日はUNIQLOのワンピース。




晴れたら5月の陽気になるとの予報で
初おろしの薄手のワンピースで。

冬の終わりに値下がりした時点で
春先用にと
黒とベージュを購入してあったものだ。





UNIQLOもけいあゆ流で
ベルトの代わりにエルメスのスカーフを巻き



風に負けないようにベレー帽を深く被った。



黒の春夏物ストールを羽織って

バッグは雨にも負けない母のお下がり。




もう杖は要らないが

用心のために持参する。

「置き忘れないように注意しなくちゃ」


置き忘れたら…また遺失物探しだ。