入院中、欲していたものの一つがバターだった。

バターの香りのする料理はもちろん、パンにそれが添えられることもなく

けいあゆは相当バターに飢えていたようだ。


昨日は
そのバターたっぷりの海老グラタンから始めて





晩ごはんにも

バターを使った蟹ごはんを炊いた。


洗った米に生の蟹をのせて

バターと白だしで炊いたご飯。

一合の釜で茶碗三杯分になる。




それは


ずうっと以前に

日本海を見晴らすレストランで食べた蟹ピラフを


おウチごはんでも食べたくて

幾度か試行錯誤して再現したものだ。


実はその海辺のレストランは今はもうない。



蟹はたらばが理想だが

今回は暮れにカニ鍋をした残りのズワイ蟹で。


バターと蟹、そして白だしの隠し味で和でも洋でもないけいあゆ流蟹ごはんである。




取り合わせたのは

さっぱりおかずのマカロニサラダ。

ブランチのグラタンのマカロニを取り分け

胡瓜と玉ねぎ、スモークサーモンを加えてレモンマヨネーズで和えた。


さらに前日のポトフの残りで

野菜も充分の献立に。




こんな具合で

バターと海鮮を堪能した一日になった。


今はこころの欲するままにカロリーは棚上げ。



病院食では

全体的に油少なめの料理が多かった。

健康志向の献立で高カロリーの油脂を避けているのだろうと思ったが、


それにしてはご飯の量が多く

毎食600〜750kcalという高カロリーの食事が供されるのは

なんとも不可解だった。


そのご飯がなんとも不味くて

まずはおかずをなんとか一通り食べて

最後にご飯をふりかけや海苔で少し食べるのが常。


そしてたまのパン食でも

供されるのは生の食パン、それも2枚❗️

添えられるのはマーガリン‼️


健康志向の献立に何故マーガリン⁉️

抗議の気持ちで

敢えて手をつけずそのまま残す。


アタマの中には

マーガリン=トランス脂肪酸

=カラダに悪いアブラ

の図式があった。


こんなアメリカンな食事に

それはたっぷり含まれている…イメージ。



それというのも

米国でトランス脂肪酸の害が言われ始めた頃は


子育て、孫育ての時代だったから

出来るだけ健康的なごはんをと志向して

トランス脂肪酸が多く含まれるという

ファストフードやカップ麺などを避けるばかりか

マーガリンは一切遠ざけてきたのだった。



ところが現在

マーガリンも大きく変わってきているらしい。


マーガリンの代表的メーカーは

こんなアピールをしている。





どうやら

トランス脂肪酸=カラダに悪いアブラ

というのは常識化して

マーガリンからそれを減らす努力がなされているようだ。


ということで


"いまどき"は

やみくもにマーガリンを敵視する必要はないらしい。


古い通念は改めていかねばならないようだ。





東洋経済オンラインによれば


そもそもトランス脂肪酸が健康に悪いとされたのは1990年代のアメリカ。

ようやく1990年代となり、トランス脂肪酸が健康に悪いことが科学的に確からしくなり、2000年代にはようやくトランス脂肪酸の含有量表示が義務付けられることになりました。

この頃には、「トランス脂肪酸=健康に悪い」ということが一般にも広く知れ渡り、アメリカの食品からはかなり減っていくこととなりました。現在でも厳密に禁止されているわけではないのですが、事実上ほとんどトランス脂肪酸は使われなくなったのです。

以来アメリカではトランス脂肪酸は厳しく制限されるのだが、

日本ではそのあたりがゆるゆる…

そのわけは…

厚生労働省が「無知だから」トランス脂肪酸を(アメリカほど厳密に)制限していないわけではありません。当然熟知していながら、業界とのバランスをとりながら政策決定しています。事実として、日本の食品でのトランス脂肪酸の割合は、今や非常に低いものとなっています。」

マーガリンといっても、数々の脂肪成分から作られており、トランス脂肪酸の割合は7%程度と報告されています。日本人のトランス脂肪酸摂取量は世界の中でも低く、総エネルギーの0.3%程度です(1%未満とすることがWHOに推奨されています)。

そもそも、アメリカで厳密な制限に至ったエビデンスは、非常に多量のトランス脂肪酸を摂取していたアメリカ人のデータに基づいています。そもそもアメリカ人の多くはハンバーガーとポテトばかり食べており、その原材料(例えば油)の摂取量は桁違いです。 日本でもパンやポテトを食べる人は多いですが、その摂取量は比になりません。

そして
私がとても気になったのは
"詐欺医療広告“という文言。

「トランス脂肪酸を是が非でも避ける」というのは、詐欺医療広告の代表格です。「トランス脂肪酸が健康に悪い」という”科学的な”根拠をもとに、トランス脂肪酸を含むマーガリンなどを是が非でも避けさせるよう指導します。このように、わかりやすい「悪役」を叩きのめす、というのは、非常に効果的なマーケティングになります。

ただこの記事で解説した通り、「少しでもトランス脂肪酸を摂ると健康に悪影響を及ぼす」というのは、まったく科学的ではありません。摂りすぎると健康に悪いでしょうが、今現在の環境で、そこまで多量に摂取するのはかなり難しいです。

少なくとも日本ではそんなに気にすることはありません。マーガリンが大好物で毎日大量に食べて心筋梗塞になった、など当然例外的な人はいるかもしれませんが、何にだって例外はあります。例外を代表例として受け取ってはいけません。


トランス脂肪酸=カラダに悪いアブラは
今のところ検証済みの事実だが

そのトランス脂肪酸をわずかでも含むからといって"いまどきの"マーガリンを遠ざけるのは誤りということになる。


一口でも毒❗️なのではなくて
多量に摂取するのが問題なのだ。

アタマは常に柔らかくして
科学的に、定量的な考え方をしなくちゃ、ね。

その昔、科学的定量性について書いた記事を
思い出した。

是非お読みいただきたい。


だが、
いまどきのマーガリンが必ずしもカラダに悪いわけではないと
アタマが許容するのと
こころが欲するのとは違う。

けいあゆとしては
やっぱり料理にはバターの香りが欲しい。

残りものの蟹ご飯でおむすび。
いくらを飾って…



有明産のいい海苔を巻いて食べる。







添えた煮物は

病院食でもよく出た高野豆腐だが

こちらはけいあゆ流。


人参や蕾菜、そして甘辛く炊いて冷凍してあった椎茸も加えて



美味しい一鉢になった。


すまし汁には冷凍の海老しゅうまいを落として。

二、三個残ったしゅうまいはこんなふうに汁の浮き身にすると無駄がない。




バターで炊いたご飯のおかげで

美味しいランチのおむすび膳になった。



さて今夜は何食べよう?


今日も元気でご機嫌も上々のけいあゆである。