カボチャを煮た。
鰹だしをきかせて白醤油で。

思い立って仕上がりに
ぜんざい用に買っておいた小豆粒餡を加えて
カボチャのいとこ煮出来上がり。



甘辛バランスのいい小鉢になった。


病院食でも

カボチャはよく使われる食材だった。

それはずいぶんと大味の

食感もぐずぐずだったり

がつんと固かったり。


上段のは

いとこ煮と名ばかりで小豆の姿はなく、

下段は

蒸し野菜サラダという名とあまりにかけ離れた一品で驚かされたものだ。



それらはたぶん冷凍のカボチャ利用だったのだと思う。

安価で安定供給、病院食には便利な食材だったのだろう。


スーパーで買ったフツーのカボチャでも

ひと手間かけたおウチごはんはいい。


実は

メインのつもりだったのは

いただきものの"鯛と聖護院大根の柚子あんかけ鍋"というゴタイソウなシロモノだったが



こちらも大きく期待を裏切ってくれて

鯛が薄切り一切れ、薄ーい大根らしき切れ端が二、三枚、小さな焼き豆腐が一切れ、

などといったあまりに貧相な具材で

竹輪と春菊をプラスしてボリュームアップした。


ホンモノの主役は 

取り寄せたイクラをたっぷりかけたご飯になった。






病院食ならでも、

京都の料亭の味であっても

美味しくないものはやはり美味しくないのである。


送り主は男性で

進物はオクサマのセンスらしい。

知らない間柄では

贈り物に肝要な


相手に"こころを遣る"ことは難しい。


このところ続けて地場産の豚肉、

それもけいあゆが全く口にしないレバー入りのサルシッチャやモツ煮込みなどのセットを送ってくれていた。

しかしそれは

娘宅に転送して孫にも喜ばれていたので

それはそれでよかったのに…


ちょっと残念である。



おかずの不足を補うべく海老シュウマイを蒸した。

長い入院生活の前から冷凍庫で帰りを待っていてくれたそれは

生協仕様で、あれば便利な一品。



蒸し白菜もたっぷり食べられて

兎にも角にもバランスのいい晩ごはんになった。




さても贈り物は

有難いが難しい。


ティンカーベルからは美味しい一棹が届いた。



このところ毎年暮れに送ってくれる湯布院の

"JAZZと羊羹"である。


昨年書いた記事にも取り上げているが


その折にも思ったのは

やはり贈り物は

"贈る相手の身になって…"

ということだった。




かつて

暮れに何本も送られてくる新巻鮭が

冷蔵庫に納めきれずに困ったことや

八丈島からの大量のクサヤが

夫との大喧嘩のタネになったこともあった。



一方で

長い入院中

手作りの料理やふりかけ、オイルや塩などの

いただきものがどれほどアリガタカッタか。


そのおかげで味気ない病院食を

乗り切ることもできた。



自身もまた

贈り物には相手へのこころ遣りとこころ尽くしが不可欠と

改めて思い至る。



そして今年もまた

四十数年送り続けている迎春の花を注文して

久しくお会いしていない先方のお年を数えてみたりしている。


その注文を止めるのは彼が亡くなった後だろう。




うさぎうさぎうさぎうさぎうさぎうさぎ




入院して早々、

初めての入院、手術という成り行きに少し興奮気味に

生保のおばちゃん(父母の代からずうっとそう呼んできたが実は私と同年輩)にLINEして


"身から出た錆"の顛末と現状を伝えると


「頼りにしてください❣️」

との頼もしい返答。





どうやらけいあゆの長年に亘る

保険掛け捨て人生は

これにて幕となるようだった。



頼もしいといえば

マンションの友人も

退院を知らせると

何か手伝うことがあれば…と


「寒い時ですから

退院後もご無理のない生活が出来ますように

私も助っ人の一人に加えておいてくださいね。」


助っ人を買って出てくれた。


いろいろな人たちに助けられ支えられて

現在の私がいる

と痛感させられることども。


そんな思いでいるところに

幼馴染の友人から

突然の贈り物❣️


近年東京から山梨に移り住んだ彼女に

今回の入院を知らせたわけではないのに


退院祝いとして

しみじみ優しいお便りと

見事な枯露柿(ころがき)が送られてきた。

甲州特産百目柿を使った干し柿である。





彼女は実は小学校時代の友人、

というより恩人である。



長い長い付き合いは

小学校五年で彼女のお父さんの転勤で東京とふるさとに離れても

ご主人の転勤で米国と東京に分かれても

そしてふたり共東京暮らしになって

やがて山梨と東京に別れ住んでも


ずうっと途切れず続いている。


手紙の筆跡は私には涙が出るほど懐かしく

やっぱり私には頼もしいお姉さん代わりである。




さて

いただいた羊羹と柿で

美味しいお茶でもいただこうか。