冬はつとめて。
(冬は早朝がいい)

清少納言はそう言うが
私も同感だ。


冷気がピリリと肌を刺すのが
暑がりの私には心地よい。

温室さながらの病室にいては
それも味わえないが。




午前6時過ぎ
病棟内が目覚める頃、

外では
中央線や総武線が既に忙しく往来している。
古い型のあずさが信州へと走り去るのも見えた。
鉄ちゃんならたまらないだろう窓辺の風景。

夜勤の看護師さんの朝の問診に答え

午前7時になるのを待って

一階のナチュラルローソンまで行って

3人分のプリン🍮を買って来た。

歩行器での歩行である。
杖歩行での院内自由の許可は昨日得たが
買い物など荷物を持っての歩行はまだ不安だ。


ダウンにストールの冬装備で通勤してきた病院スタッフたちとすれ違う。
Tシャツ一枚の私にも
彼らが冬の朝の冷気を運んで来てくれた。


うさぎうさぎうさぎうさぎうさぎうさぎ


昨夜突然にイビキさんの
リハビリ科への移動が告げられた。

イビキさんは動揺したが
それはもう決まったことで
否むことはできないらしい。

「せっかく皆さんと仲良くなれたのに」

と知らない空間にひとり移ることが不安でたまらない様子。

看護師さんは容赦なく言う。

「此処にいるとぼうっとしてしまうから
1日3回〜のリハビリで鍛えてもらいましょう!」

ますます怖じるイビキさんを

「お別れは残念だけれど
リハビリ科でしっかり歩けるようになって
早くお家に帰りましょう」

とドクゴさんと私が宥める。

穏やかな性格でイヤダと騒ぐ人ではないので
ともかくも受容したようだった。
昨夜は何故かベッドからの電話もせぬまま。


…というわけで
朝食後
プリンでささやかなお別れ会。

とても喜んでくれて

でも
「いつもご迷惑をかけて…
優しくしていただくばかりでお返しも出来ず…」
と言う彼女の
肩をトントンとして宥めて

「気にしないで❣️
 歩いて買い物できるようになって嬉しくて行ってるんだから」

そんなささやかな送別会ののち

「行ってらっしゃい♪」
「頑張ってね❣️」

と見送られて
イビキさんは車椅子で去って行った。

その細い肩と
でもふっくらとして温かな^_^手の感触が
しばらく残った。

こんな別れもある。

☆イビキさんがいなくなった部屋。すぐに清掃され次の患者に備えられる。空は晴れてきた。



整形外科病棟では
リハビリに意欲的な者はここで仕上げ、
その気概が足りないものは
ハードなリハビリ科に送って、
それでも回復が難しれば
家族と話し合って
自宅または施設へと移すことになるのだろう。

そんな憶測をドクゴさんと話した。

彼女は長年抱えてきた足首の故障を治すべく
手術を受けただいま免荷中。
あの厄介なぴょんぴょん期の只中である。

ただキズも癒え今朝抜糸も終えたので
長い免荷を待たずに
特殊な装具で右脚が床につかないように保護して
松葉杖での歩行をマスターしての退院となるらしい。

退院してしばらくは自宅でリハビリ
やがて装具も松葉杖も要らなくなるだろう。

彼女より先に
私が退院して此処を去る。

うさぎうさぎうさぎうさぎうさぎうさぎ

そして今日午後には 
私のカーテン隣に新しいメンバーが加わった。

私と同年輩の彼女は明日
左右両方の股関節の手術。

一年ほど不調を堪えて
今後のためにと手術を決心したらしい。

8時間という長丁場の手術、
そののちICUで一晩過ごすらしいから
私とは今日と明後日
二晩だけのご縁になる。

別れては会い、また別れる
入院病棟は人の世の縮図だ。


うさぎうさぎうさぎうさぎうさぎうさぎ

さて今日のけいあゆは
リハビリの先生の体調不良で
終日自主リハビリの日となった。


早朝の買い物に加え
午前中の自主リハビリウォークは



主に杖歩行で、

時々手すり、

そして時々それらに頼らず歩いてみた。


エレベーターで一階まで降りて

事務局に診断書などの書類を依頼したり、

そこから階段を上って二階へと上がって





ひと気のない長い廊下や

屋上庭園を手放しで歩いたり





ガラス扉に映る姿を録画してみたりもした。



部屋に戻ってひと休みして

再び院内ウォーキングに出発❣️



戻ると部屋の掃除中だったので

ホコリを避けて小さな談話コーナーへ。


其処からは病室とは違う方角が望める。


左奥に林立するのは

新宿西口のビル群だろう。






そこでもささやかな筋トレを怠らないけいあゆ、



もちろん午後もウォーキング、

本日の目標は五千歩❣️


我ながらなかなかの優等生ぶり。