月迎えの支度は整った。


☆小学生の頃の孫の作品、月の兎と見上げる兎がしみじみとした情趣で未熟ながらも好きな作品。



お気に入りの箔一の菓子盆と箸置きも今日こそ出番。




待ち受けたのは
東京杉並18時の月、


風に慌ただしく流れる雲に

やがて満月が姿を見せるか

…と思いきや


20時には雲の向こうに隠れ



やがて

その在りかさえ不確かになり



雲の下は虫の音が高く響き渡るだけになった。



見えなくたっていい。


気の合う友だちの兼好くんだって言っている。


「花は盛りに月はくまなきをのみ見るものかは」


「すべて月・花をばさのみ目にて見るものかは」


やたら反語を駆使して彼が言いたいのは 


「桜も月もその絶頂を目だけで見るものではない。」


つまり

「こころで見ようよ」

と呼びかけているのだ。



「…月の夜は閨(ねや)の内ながらも思へるこそ

いとたのもしうをかしけれ。」


まさに今夜の私がそう。

閨(寝室)ではなくリビングだけれど。



というわけで

こころと舌で味わう名月。


今宵のお月見膳、


作りたいものは少なくとも8種類はあって


迷った末に4種に絞って

和風の松花堂弁当仕立てにした。




高野豆腐と干し椎茸の炊き合わせ。

薄味とこっくり甘辛味の取り合わせ。



玉ねぎマリネとスモークサーモン、イクラ、ケッパー添え。


舞茸、小海老、万願寺とうがらしの天ぷらは

藻塩でいただく。


口直しはゴルゴンゾーラチーズの蜂蜜かけ。



イカと細グリーンアスパラガスはバターで炒め焼きにして醤油を少々。



お酒は久しぶりに新潟の冷酒。




目新しいもののない至極シンプルなメニューになったのは


無性に食べたくなって

おやつに

甘くないパンケーキを焼いて食べたからだ。



それも蜂蜜漬けのナッツとバターをたっぷり。

ちょっとお月さまにも似ている。



久々のパンケーキ、堪能した。





月見うさぎ月見うさぎ月見うさぎ月見


京都のK先輩からは

京都郊外の寺々を訪ねたと

"4人の会"に画像が送られてきた。





さすが古都の風情。



先輩ご自身は

先月罹患されたコロナのせいか、

それともジム通いの効果あってか、

かなりスッキリされて元気そう。


京都はよく晴れてお月見も叶ったようだ。


あの鴨たちのいた要法寺の池の上に

満月がぽっかり浮かぶ。




奈良のwakoさんからは

お宅のテラスからの月。



お気に入りのお月見酒器で

奈良の銘酒『春鹿』を汲んでおられるようだ。




京都の和花さんは
八坂神社の観月祭にお出かけだったらしい。






福岡のサンタムールさんからは

見事なアップのお月さまの画像が。


確かに其処には兎さんがいた。



でも定番の餅つき姿ではなく

斜め後ろ向きに座り込んで
抱え込んだ薬鉢で
何やら薬を調合しているような姿に見える。

確か中国にそんな古事があったような…
その薬は不老長寿の薬。


私はそれは要らない。




さて京都、
その名も示す通り
桂離宮は月を観るために
作られたという。
月波楼や月見台はそのための設。



月を賞でるために庭や建物を設える

そんな贅沢を許されたのは
ごく限られた人だったろうが、

その桂離宮で
宮内庁が催行する観月祭は
抽選で64名限定。
応募者は八千人を超えたというから

やはり今も
限られた人たちの贅沢ではあるようだ。


そんな贅沢は叶わなくても
月はやはり好ましい。


ブロ友の皆さんも
それぞれの場所で
中秋の名月を楽しんでおられることだろう。

まだまだ夜はこれから…