昨日妙法寺の境内で
大きな大きな蕾に出会った。

なんと子どものアタマほどの
白くふっくらした蕾だ。




四年前には見知らぬ蕾だったが

今はもう
ちゃんと知っている。

これは泰山木だ、と。
  英名はevergreen magnolia。


一度見ると忘れられない
大輪の美しい白い花だ。


咲いているところを
なかなか見る機会がないのは
高いところに咲いて
見上げなければ
目に入らないからだ。


人は見えるものしか見ない。


昨日はそれも見ることができた。


未知が既知に
そうして
知識が積もっていくことが
嬉しかった時代もあった。

今はそれが
ほんの少しだけ
重たく感じることもある。


未知より既知の方がしあわせ
とは限らない
と今は知ってしまった。


今の自分が
半世紀の底に沈む澱
ではなくて
その上澄みで
出来ているといいな。