父の日の贈り物仕様で
花鉢が届いた。
注文した時期が時期だから
先方が気を利かせたらしいが
実は自分で自分に贈り物。

西洋くちなし ガーデニアの鉢である。

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咲いている花は二輪。
それでも大好きな甘くて爽やかな香りが漂う。

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続くたくさんの蕾たちが一斉に開いたら
どんなにか部屋中に香りが立ち込めるか
楽しみだ。

くちなしは (もちろん日本くちなしだが)
古来その実が鮮やかな黄色の染料として
使われてきた。
純白の花から山吹さながらの色を濃く滲ませる実へ
その転身が見事だ。

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*くちなしの実、画像はサイトから。

だからこそ
山吹の枝を抱えた道信の中将は
女房たちの呼びかけに
「くちなしにちしほやちしほ染めてけり」
とかねて用意の上の句を詠み
山吹を局に挿し入れたのだ。
即刻 返すべき下の句に 慌て騒ぐ女房たち。
…さてもその続きは『俊頼髄脳』で。

梅雨寒の今日はコツコツとキッチン仕事。

山椒の実を茹でて下ごしらえ。
小さな粒から小枝を除く仕事は 短気な自分との闘いだが
好きな香りに癒されるおまけ付き。

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いただきもののトウモロコシは初もの。
茹でて 料理に。
コーンクリームスープにしようかな。

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そんな日のブランチ。

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久々にねっとりほの甘いスクランブルエッグをメインに 野菜たっぷりの プレート。

そしてこちらは
ワイン解禁の昨夜のおつまみごはん。
出来立てのトマトソースも活用。
ワンプレートを貧しくしない工夫が楽しい。

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*さて以下は
久々に 古文でも…という方に。

 道信の中将の、山吹の花を持ちて、上の御局といへる所を過ぎけるに、女房たちあまた居こぼれて、「さるめでたきものを持ちて、ただに過ぐるやうやある」と、言ひかけたりければ、もとよりやまうけたりけむ、
  くちなしにちしほやちしほ染めてけり
と言ひて、さし入れりければ、若き人々、え取らざりければ、奥に伊勢大輔が候ひけるを、「あれ取れ」と宮の仰せられければ、受け給ひて、一間がほどをゐざり出でけるに、思ひよりて、
  こはえも言はぬ花の色かな
とこそ、付けたりけれ。これを上、聞し召して、「大輔なからましかば、恥がましかりけることかな」とぞ、仰せられける。
『俊頼髄脳』

当意即妙の機知が 高い評価を受けた時代の話、男も女もそんな知の遊びを楽しんだ。
そんな緊張感 あらばやとも思う昨今である。