名ばかりは知っていた。

「泰山木(たいさんぼく)」

それは娘の高校の校章であり
「入学を記念して庭に泰山木を植えた」
というご父母の話も聞いたから。

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それでも特に関心はなく
泰山木の実物どころか
画像さえ見ずに今に至る。

ところが
TVのニュースでたまたま
初めてそれを見ることになった。

いや実は
昨年その実物を
目の当たりにしていたのだった。

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昨年の6月ブログにアップした画像である。

唐津の旧高取邸を訪れた折の記事
に、

「蕾は大きさと季節こそ違え木蓮のよう、葉は緑濃く分厚く枇杷に似ています。」

庭にあった名を知らぬその花の
ひときわ目を惹く大きな蕾に感嘆して書いた一節。

一年後の今知る。
モクレンに似ているそれはモクレン目モクレン科モクレン属の
泰山木であった。

66年も生きてきて
なんとまあものを知らないことよ。
名ばかり知るのは
知るうちに入らない
と恥じ入るばかり。

今は
百科事典や植物図鑑を開くまでもなく
あらゆる知識が
TVやインターネットを通じて容易に手に入る。
そのなだれ込みを懸念しつつも
ちゃっかり利用してやろうという
けいあゆである。

インターネットで拾った泰山木。

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ふうむ、北アメリカ原産でミシシッピ州花。
明治初期に渡来……

それにしても
名を知らぬまま惹かれ眺めた
その花には
明治の大商人のロマンを感じたものだったが、
名を知るやそれが
幻影の如く消え去ったのは何故だろう?

*旧高取邸は明治の富豪の邸宅を今にとどめている文化財。
孫は唐津の中学に入学して間も無く学校の「唐津学習」の一環として訪れ
その趣が殊の外気に入ったそうだ。
私も孫の勧めで静かな時間を味わうことができた。

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いつか孫と再訪したい場所である。