今更ながら、図面を描くことを復習してみましょう。

久しぶりにブログを真面目にやってみようかと…

というのも、図面なんて描けて当たり前なのですが、こんな機会なので初心に戻って、VectorWorks(以下、VWとします)の機能にいろいろと触れてみましょうと思いました。

 

実際、舞台図面を描いてみつつ、照明の仕込み図まで描き上げてみたいと思います。

その中でいろいろな手法や、私なりの意見も混えられたらと思います。

 

ちなみに私はVW2020 SpotLightを使用していますが!

なるべくSpotLightの機能を使わずに描いて、所々、SpotLightを使えそうなところはご紹介していきたいと。

他の旧バージョンではこうだったとかも交えていけるように努力します。

と言っても私も応用的な機能や、SpotLightの機能に関しては勉強中なのですが。

普段なんとなく図面を書いている方や、VWを使い初めて間もない方、初めて使う方にわかりやすく、それでいて実践的にご紹介できたらと思っています。

注:私のMacはグレー表示を使用しているので画面のメニューなどの色が違った場合はご理解ください。

 

ではまず、図面を1から描いてくということで下準備から。

VWを起動させたら新規ファイルが自動的に開かれていると思います。

 

実践を第一にしますので細かい設定やらなんやらはその都度、気がついたら説明します。

中央部の方眼目のスペースが実際の図面を描いていくところ、作図スペースで、その周囲は各種パレットになります。

パレットというのは図面を描く上で使用する各種ツールです。

細かいツールに関しては私もよくわかっていないものや、知っていても使わないものもあるので、その都度、説明します。

ちなみにパレットはスクリーン上部のメニュー欄のウィンドウメニューの中にパレットがあります。

 

チェックの入っているパレットが表示されています。

では、図面描きに戻ります。

 

作図スペースの上部に幾つかのアイコンがあります。

左から4,5番目…紙が重なったような絵のアイコンをクリックします。(下記の左)

そうすると下の右のようなダイアログが開かれます。これがオーガナイザです。

(名前は覚えなくても大丈夫。その辺で開けるということを覚えておいてください。結構使うダイアログです。)

 

 

ちなみにこれは画面上端のウィンドウメニューのツールの中にもあるのでそこをクリックしても開くことができます。

 

オーガナイザでは図面上のレイヤーやクラス、シートレイヤー登録画面などの細かい設定ができます。

これらに関しては改めてその都度、説明します。ざっくりと作業スペースの表示方法の設定だと思っておいてください。

 

ダイアログの中にレイヤー1という欄があります。これをダブルクリックします。

(もしくはクリックで選択してダイアログの中の編集ボタンを押します。)

「デザインレイヤーの編集」ダイアログが開きます。

ここには上から「名前」「縮尺」「前後関係」「高さ」「壁の高さ」「不透明度」「背景テクスチャ」などの項目があります。

その中から縮尺をクリックして、「縮尺ダイアログ」を開きます。

 

縮尺ダイアログで[ 1 : 100 ]をクリックします。もしくは右下のボックス「用紙の縮尺」に100と入力してもかまいません。

OKをクリックしてこのダイアログを閉じ、次いで「デザインレイヤーの編集」ダイアログもOKを押して閉じます。

(この時、名前を入れてもかまいません。ここで入れる名前はファイル名ではなくレイヤー名になります。)

 

レイヤーとは…階層。VWではまるでトレーシングペーパーをかけていくようにレイヤーを重ねていくことができます。

レイヤーは「デザインレイヤーの編集」ダイアログで、レイヤーごとの設定を決められます。

VWではレイヤーごとに縮尺を変えたり、そのレイヤーの不透明度を変えたりすることができます。

またレイヤーの重なりの順番を変えることもできます。

不透明度を100%にして、つまり透けないことにして、レイヤーを重ねると描かれた部分の下敷きになる他のレイヤーはその部分が隠されてしまいます。たとえば…

左は不透明度100%でレイヤーの順番がレイヤー1が[1]、レイヤー2が[2]になっています。

右はレイヤーの順番を入れ替えたものです。

 

なぜレイヤーの順番が必要か?そもそもレイヤーを重ねる必要性は?

昔、手書きだったときは当然、レイヤーというものはありませんでした。

それなら1枚のレイヤーに書き込めるのではいでしょうか?

もちろん書き込めます。  ですが、レイヤーを使うと何が便利なのでしょう?

例えば、劇場の図面に劇場の資料にあるものを全て書き込むと図面は非常に複雑になります。

左の例ではバトンやギャラリー、反響版まで入っていて盛り沢山です。

右の例は躯体のみを残して全て消してしまいました。

これは削除deleteしたのではなく、分かれているレイヤーを非表示にしたのです。

ある程度のパーツ、箇所ごとにレイヤーに分けておけば、いつでも自由に表示非表示ができます。

例えば、劇場の平面図の上に舞台美術のレイヤーで舞台美術を描いたとして、吊りものバトンのレイヤーをその上に表示すれば、美術とバトン、照明の関係などが見えてくることになります。しかしこれらの情報はいつも必要なわけではありませんから、必要な時に表示、非表示を使い分けられることが便利なのです。

 

さて話を実践に戻します。

 

これでオーガナイザのレイヤー1を見ると[ 1 : 100 ]になっていることがわかります。

つまりレイヤー1は100分の1に設定されました。OKをクリックしてオーガナイザを閉じます。

 

一応、ここまでを初回としておきますが、最後にファイルの保存について少しだけ。

ショートカットで保存もできます。(Macなら⌘+S)

画面上部のファイルメニューの保存でもかまいません。

最初は名前を入力するダイアログが出るので名前を入力して任意の場所に保存してください。

 

 

ついでに画面上部のツールメニューから→オプション環境設定へ進んでください。

Fundamentalを使っている場合は少しメニューの内容が違うかもしれませんが、環境設定はあるはずです。

古いバージョンだと環境設定そのものが画面上部のファイルメニューの中にあるかもしれません。

 

 

環境設定ダイアログが開きます。

ここでVWの操作上の細かい設定ができます。

いくつかタブに分かれていますが、ここではまず、自動保存のタブから最初はチェックが入っていないと思います。

チェックを入れると自動保存の設定がグレー表示から実践表示になります。

元のファイルを上書きとコピーを保存が選べます。

コピーを保存にすると次々とコピーが作られていくことになるので、以前保存した状態に戻りたい人、戻る予定のある場合はそちらがいいのでしょうが、ファイル数が増えていくので容量にゆとりが必要です。

また一々設定した時間ごとに保存をするので(ダイアログは出ませんが、)煩わしいという方はそもそも自動保存はしなくてもいいのですが、パソコンの安定性に不安がある場合などは自動保存をしておいた方が、いざというときに被害が少なくて済むと思います。

 

いずれにしても今日までのところ、保存しておいてください。

まだ設定をいじったばかりですが、慣れれば今日のところは30秒で終わる作業だと思います。

 

 

 

つい先日のこと。

一ヶ月半くらい、ある芝居で、海外製の調光卓に触っていたのですが、私が思うに海外製の卓はボタンが軽く感じます。
軽いという事は長時間作業する上では、疲れにくく、良いこともあるのですが、軽過ぎると感じる事もあります。

特に一番大事なGoボタン。

その一ヶ月半の間、周囲に対して、丸茂さんのガチャコンっていうGoボタンが好きだとずっとこぼしていました…
丸茂のマリオネットシリーズのGoボタンは、押すとガチャコン!(イメージです)って音がします。押した!という実感があります。そうそうこのボタンでは、『2度押し』は無いと思います。押すのに力が要りますから。
またこのボタンの良い所は指を載せると軽い遊びはありますが、載せた程度では押せないという頑強さを持っています。
簡単に押させない強さと、押した感の充分ある感触と音は、オペレーターに安心を与えてくれます。
ある劇場では客席に対してむき出しの調光ブースなので、この音が静かなシーンだと目立つという問題もありますが…

対して海外製の卓は固いものでもパコ!(イメージ)ってかんじで、柔らかい、軽いものだと、カシャ!とか、スカッ!って(あくまでイメージの擬音です)感じで物によっては遊びも多く、指は常に浮かせていないと怖い感じがします。
ある程度キーの大きい物もありますが、それはそれで、角で押すと軽押し過ぎて、反応しなかった事もあります。

Goボタンは本番では一番大事なパーツですから、位置や大きさはもちろん、その打鍵感や音なんかにもこだわって欲しいものです。

ちなみに何でこんな事を書いたかというと。一ヶ月半後にマリオネットのGoボタンで別の作品のオペをしたのですが、軽いのに慣れてしまったせいか、重くて重くて、腕が張ってしまった…(ダメじゃん)…だけど、信頼できるいいボタンです。
慣れというのは、怖いものです。
つい先日のこと。

一ヶ月半くらい、ある芝居で、海外製の調光卓に触っていたのですが、私が思うに海外製の卓はボタンが軽く感じます。
軽いという事は長時間作業する上では、疲れにくく、良いこともあるのですが、軽過ぎると感じる事もあります。

特に一番大事なGoボタン。

その一ヶ月半の間、周囲に対して、丸茂さんのガチャコンっていうGoボタンが好きだとずっとこぼしていました…
丸茂のマリオネットシリーズのGoボタンは、押すとガチャコン!(イメージです)って音がします。押した!という実感があります。そうそうこのボタンでは、『2度押し』は無いと思います。押すのに力が要りますから。
またこのボタンの良い所は指を載せると軽い遊びはありますが、載せた程度では押せないという頑強さを持っています。
簡単に押させない強さと、押した感の充分ある感触と音は、オペレーターに安心を与えてくれます。
ある劇場では客席に対してむき出しの調光ブースなので、この音が静かなシーンだと目立つという問題もありますが…

対して海外製の卓は固いものでもパコ!(イメージ)ってかんじで、柔らかい、軽いものだと、カシャ!とか、スカッ!って(あくまでイメージの擬音です)感じで物によっては遊びも多く、指は常に浮かせていないと怖い感じがします。
ある程度キーの大きい物もありますが、それはそれで、角で押すと軽押し過ぎて、反応しなかった事もあります。

Goボタンは本番では一番大事なパーツですから、位置や大きさはもちろん、その打鍵感や音なんかにもこだわって欲しいものです。

ちなみに何でこんな事を書いたかというと。一ヶ月半後にマリオネットのGoボタンで別の作品のオペをしたのですが、軽いのに慣れてしまったせいか、重くて重くて、腕が張ってしまった…(ダメじゃん)…だけど、信頼できるいいボタンです。
慣れというのは、怖いものです。