前回の終わりに下絵となる図面の取り込みが終わりました。

ここまでで縮尺の正しい劇場図面がVWに入ったことになります。

 

レイヤーをかける

実は難しいことをしなくてもこのまま劇場図面として扱うという方法もあります。

実際そうしている方もいらっしゃいます。

劇場からもらった図面に直接仕込み図を書き込むというわけです。

その方法も紹介しますが、このブログではせっかくですので、劇場の図面をトレースすることをしようと思います。もう少しわかりやすくいうと、ここで取り込んだ図面は一枚の絵でしかないということです。拡大縮小や部分的にカットなどはできますが、せっかくVWを使っているのにそれでは使い勝手が悪いのです。

 

先ずはレイヤーをかけます。

その1で簡単に説明しましたが、レイヤーはトレーシングペーパーを重ねるようなものです。

取り込んだ図面は元となるのでいじらずにあらためて図面を描いていきたいと思います。

これからたくさん使うことになるこのレイヤーという機能を先ずは使ってみます。

その上でその様々な機能について解説していきます。

 

作業スペースの上部、左から4、5番めにあるレイヤーのプルダウンアイコン(「レイヤー1」と書いてあります)をクリックします。

メニューが表れます。一番上の検索窓のすぐ下、新規デザインレイヤ…をクリックします。

 

デザインレイヤの作成ダイアログが出ます。

新規に作成名前の欄に「駆体」と入力してOKを押します。

 

図面が消えてしまったでしょうか?心配は入りません。

先程のプルダウンメニューのところを見てください。「駆体」に変わっているはずです。

 

消えてしまった図面(下絵)を表示させましょう。

再び今の「駆体」のところをクリックします。

 

「駆体」「レイヤー1」と並んでいます。

ここで「レイヤー1」を選択します。

 

図面(下絵)が表示されました。

お分かり頂けたでしょうか?このボタンで開かれるレイヤーのリストからレイヤーを選択することができます。

ここで正しく理解してください。

このレイヤー選択メニューから選択されたレイヤーは実行中のレイヤーになるということです。

つまりは編集可能なレイヤーということです。

???分かりにくいかもしれませんが、

・レイヤーは何枚も重ねて表示できます。

・選択されたレイヤーが一番上とは限りません。

編集できるのは選択されたレイヤーか編集が許可されたレイヤーだけです。

 

ではなぜ「駆体」レイヤーを作った時点で「レイヤー1」が消えてしまったのでしょう。

もう一度レイヤーの選択メニューから「駆体」を選んで画面の表示を図面が消えた状態にします。

今度は、画面上部のビューから「他のレイヤを」を選ぶと、「グレイ表示」にチェックが入っていると思います。

「表示+スナップ」を選択します。

選択されているレイヤーは「駆体」のまま「レイヤー1」が表示されました。

 

他のレイヤの表示

ここでレイヤの表示方法について説明します。

他のレイヤをの中には

非表示

グレイ表示

グレイ表示+スナップ

表示

表示+スナップ

・表示+スナップ+編集

の6つのメニューがあります。

 

非表示:他のレイヤを非表示にします。

 

グレイ表示:他のレイヤをグレイ表示します。絵や柄は消えてしまいます。

グレイで表示されたレイヤは編集できません。

グレイで表示することで、編集する上での目安にすることができます。

 

グレイ表示+スナップ:表示上は同じです。

グレイで表示されたレイヤは編集できません。これも同じ。

グレイで表示されたレイヤに描かれている図形にカーソルがスナップします。

スナップできることで、他のレイヤの図形に添わせた編集が可能になります。

線をトレースしたり、壁や壁や床の線に合わせた図の配置が可能になります。

 

表示:他のレイヤを表示します。

他のレイヤを編集することはできません。

グレイ表示よりも一目瞭然なので、全体の見え方が分かりやすいと思います。

ただし、編集できるのは実行中のレイヤだけです。

 

表示+スナップグレイ表示+スナップの場合と同様にカーソルがスナップするので編集がやりやすくなると思います。私は概ねこの表示方法で描いて、必要に応じて他の表示方法に切り替えています。

 

表示+スナップ+編集:他のレイヤをすべて表示した上で、実行中以外のレイヤも編集できるようになります。表示されているものが全て編集できるので全てを触りたい場合に向いています。が、他のレイヤのものを動かせてしまうので、基準としていた動かしたくない図形も動かしてしまう場合があるので注意が必要です。

 

オーガナイザ

レイヤを扱う上でもう一つ大事なものに、オーガナイザがあります。

すでにその1で一度開いていますが、ここでまた開いてみましょう。

作業スペースの上の左から4番目のレイヤアイコンをクリックします。

 

こうなります↓

 

上の方に左から

「クラス」「デザインレイヤ」「シートレイヤ」「ビューポート」「登録画面」「ファイル参照」と並んでいますが、ここではデザインレイヤが選択されています。

 

下の枠には表のようになっています。

最上部にある項目を見ると左から

「表示設定」「デザインレイヤ名」「#^」「縮尺」「高さ」「壁の高さ」「タグ」「切断面の高さ」「カラー」「不透明度」「背景テクスチャ」と並んでいます。

表示しきれない部分は表のところで左右に動かすと表示されます。

 

作成中の図面では「デザインレイヤ名」「レイヤー1」「駆体」になっていると思います。

まだ二つしかレイヤがありません。

作図していく上で徐々に増えていくと思います。

 

その右に二つ先の「縮尺」ここを見るとどちらも「1:100」でどちらのレイヤも100分の1だということがわかります。

 

その間にある「#^」はレイヤの順番を表します。

作成中の図面では「駆体」が「1」、「レイヤー1」が「2」になっています。

この番号はレイヤ名とは関係ありません。上に書かれているものが上に重なっているレイヤです。

つまり「駆体」レイヤの下に「レイヤー1」があることになります。昇順で並べられているからです。

「#^」をクリックすると「#∨」になります。

これで降順になるのでレイヤ番号が「2」の「レイヤー1」が上になります。

レイヤの順番は大事で下の図形は、上の図形と重なっている部分は隠されてしまいます。

つまり床に線を描いてもその上にテーブルを置かれればテーブルの部分の線は隠れて見えないということです。レイヤの順番が逆になると床が描かれていた場合、テーブルが下のレイヤになっていると、テーブルは床に隠れて見えないということです。

 

説明のために別ファイルのオーガナイザを開きます。

 

ここには6つのレイヤがあります。

一番上のレイヤは「レイヤ−6」で順番は「1」になっています。

このレイヤの順番の欄にある数字をドラッグ&ドロップすることでレイヤの順番を入れ替えることができます。

入れ替えると自動的にこの順番はリナンバーされます。

レイヤ名が入れ替わっているので順番が変わったことがわかると思います。

 

同じ表の左端「表示設定」を見てください。

 

3行に分かれています。

あえてレイヤごとに分けてみました。

一番左は目のアイコンになっています。

中央は×のアイコン

一番右はグレーの目のアイコンになっています。

 

目のアイコンは、表示。このレイヤを表示するということです。

×のアイコンは、非表示。このレイヤを非表示にします。

グレーの目のアイコンは、グレイ表示。このレイヤをグレイ表示します。

 

表示設定デザインレイヤ名の間にチェックマークがあります。

これは実行中のレイヤを表します。

ここでレイヤの表示方法をレイヤごとに指定できるわけです。

 

その上で、先程のビューから他のレイヤをでここで表示に設定したレイヤをさらに非表示〜表示+スナップ+編集までさらに設定をかけることができます。

オーガナイザグレイあるいは非表示にしたものは他のレイヤをでも表示させることはできません。

逆にチェックが入った実行中のレイヤは強制的に表示+スナップ+編集できるレイヤになります。

 

実行中のレイヤはグレイにも非表示にもできません。

 

 

オーガナイザの下方のボタンを使うことで

新規ボタン:新規にレイヤを作ることができます。

編集ボタン:選択されているレイヤの設定を編集します。

複製ボタン:選択されているレイヤをレイヤの内容ごと複製します。

削除ボタン:選択されているレイヤを削除します。レイヤに含まれている内容は一緒に削除されます。

「編集」「複製」「削除」はオーガナイザ上でレイヤを選択しないとグレイ表示になっていて選べないようになっています。

 

他の項目はまたの機会に。OKを押してオーガナイザを閉じます。

 

いろいろ触ったので実行中のレイヤが「駆体」になっていることを確認しておいてください。

次回は「駆体」レイヤに描き込んでいきます。