描くべき劇場図面を用意します

描くべき劇場の資料から下絵を用意します。

劇場からもらえる紙図面をスキャンしてもいいですが、今時はインターネットで図面が手に入ることが多いですね。

劇場側からCAD図面が配信されていれば、それを手に入れることでこの講座自体が意味をなさなくなるのですが。

多くの劇場が、PDFでの配信が主なのでそれを考慮しての作図を説明していきます。

 

単位

その前に設定で確認しておくべきことがもう一つありました。

画面上部のファイルメニューから→書類設定単位を選択します。

 

標準で主単位がミリメートルになっていると思います。

これを確認しておいてください。

後に必要に応じてこれを尺貫法に変換することもここでできます。

確認したら、OKでダイアログを閉じます。

 

取り込み

それでは、図面の下絵の取り込みから

まず、インターネットで目的とする劇場の図面(PDF)をダウンロードしておきます。

それさえ手に入らない時は紙図面のスキャン。それも難しい場合は写真からでも起こせます。

 

用意された図面をVWに取り込みます。

画面上部のファイルメニューから→取り込むPDF取り込み…を選択します。

 

Fundamentalの人やVWのバージョンによってはPDFでの取り込みができない場合があります。

また、PDFが用意できない場合もあるかと思います。

Macの人は元にする図面がPDFでなかった場合はそのファイルを開いてプリントからPDFで保存が選べます。

PDFの取り込みができない場合は、イメージファイルとして取り込みます。

画面上部のファイルメニューから→取り込みイメージファイルの取り込み…を選択します。

イメージファイルとして取り込めるのはJPEGPNG形式です。

JPEGまたはPNG形式にするにはMacでしたらプレビュー(プレビューはMacに標準で入っているappです。)で開いて、書き出しからファイル形式を変更しての保存が可能です。windowsもしくはプレビューの使い方がわからない人はファイルコンバータを入手して変換するのがいいかもしれません。

 

どちらの場合も取り込むを選択するとファイルを選ぶダイアログが出ますのでそこで任意のファイル(用意しておいたファイル)を選択してください。

 

それぞれファイルを選択して取り込むと上記のようなダイアログが出ます。

 

PDFで取り込んだ人は、下の方の「図形のスナップを有効にする」にチェックを入れて右下のボタン「取り込む」をクリックしえください。

 

イメージファイルで取り込んだ人は取り込み方法の右側でBitmapまたはBitmapとイメージファイルを選択してください。

属性やイメージエフェクトはとりあえず無視。

その下のJPEGかPNGの選択をします。(一般的にJPEGの方が軽いですが、PNGの方がきれいです。)

他の選択項目はそんなに気にしないで大丈夫です。右下のOKボタンをクリックします。

 

 

図面が取り込まれました。

これは前回作ったレイヤー1に図面が貼られた状態になっています。

が、ここで注意が必要です。

ここで入った図面はまだ縮尺が合っていません。

縮尺を合わせる必要があります。

 

伸縮

画面上部の加工から→伸縮を選択、伸縮ダイアログが開きます。

 

①伸縮ダイアログの中で上から2番目の距離で設定を選択。

②現在の距離の右側、右端にあるアイコンをクリックします

ダイアログが消えて、カーソルが小さい「+(プラス)」になりました。

 

 

舞台関係の方はお分かりでしょうが、一般に図面に書かれているグリッドは一間(いっけん)マスです。これを基準にしたいと思います。

作業がしやすいように画面を拡大します。

二本指でピンチイン(ズームアップ)するか、ホイール付きのマウスを使っていればホイールを転がすことで拡大できるかと思います。

もしくは作業スペースのすぐ上に並んでいるアイコンから、虫眼鏡の隣にある数字をクリックすると倍率の変更リストが出ます。これを選ぶことで拡大表示なります。

 

拡大したら「+(プラス)」カーソルのまま一間マスの一辺の角と角をクリックします。

 

 

ここでやろうとしていることは取り込んだ図面の縮尺を合わせるために基準となる距離を測っています。

ですから、長さの基準が測れれば良いので、測るのはタテでもヨコでもかまいません。

真っ直ぐに引くのが難しい時はShiftキーを押しながら引くと直線になると思います。

斜めに引くと斜めが基準の寸法になってしまうので注意が必要です。

 

終点をクリックすると先程の伸縮ダイアログが出ます。

ダイアログの現在の距離のすぐ右の枠に入っているのが今、測った基準の距離の寸法です。

その下、新しい距離の右側の枠に「1818」と入れます

これは単位がミリメートルなので1間=1818ミリメートルを入力します。

OKをクリックしてダイアログを閉じます。

全ての図形を変更していいですか?と聞いてくるのでOKにします。

 

一瞬、間があって取り込んだ図面が100分の1にリサイズされます。(取り込んだレイヤー1が100分の1であったため。)

 

寸法

確認で寸法を測ってみましょう。

 

先程の要領で作業しやすいサイズに画面を拡大縮小してください。

 

寸法を測るのには、基本ツールパレットにある縦横寸法ツールを使います。

もし基本ツールパレットが出ていない時は

画面上部のウィンドウパレット基本を選択します。

縦横寸法ツールを選ぶとカーソルが先程の「+(プラス)」に変わります。

同じ要領で測ってみてください。

今度は始点→終点の順にクリックしたらそこから垂直の方向に少しずらして、またクリックします。

ずらすと四角い窓が画面上では出ると思います。

そひてクリックすると寸法が表示されます。

最後のずらした分というのが寸法の引き出し線という位置づけになります。

 

これでこの一マスの一辺は1818mmになりました。

この操作で取り込まれたこの図面は縦横比を変えずに縮尺が変更されたことになります。

 

原点

次にこの図面の原点を決めます。

既にお気づきかと思いますが、この作業スペースには左側の縦と、上側の横にメジャーが表示されています。このメジャーの0(ゼロ)点を設定します。

画面上部のツールから→原点ユーザ原点指定…を選択します。

ユーザ原点ダイアログが表示されます。

 

次にマウスクリックする点を選択してOKをクリックします。

カーソルの形が変化します。

 

これは私流ですが、私は原点を大臣柱間の中点にしています。

その点をクリックします。

必要に応じて画面を拡大縮小、移動してそのポイントをクリックしやすくします。

メジャーの原点が変更されて原点を基準にX軸、Y軸の0点が決まりました。

どこか取り込んだ図面上の白い部分でクリックしてから、

画面上部の虫眼鏡のアイコンの左隣のアイコンをクリックしてください。

全体が表示されました。

このアイコンは選択している図形全体を表示するというツールです。

もし選択しているものがなければ、画面上に現在表示されている全ての図形を表示します。

 

今回はここまで。実際は準備段階なのでなれれば、1,2分の行程です。