当初予算審査(文教委員会関連)において、今まで議会で何度も問題視され続けてきた『ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム』が、コロナ禍のどさくさに紛れて、市議会へのなんの報告もなく、3年3大会契約から、+2大会の5年5大会契約に変更されていたことが判明し、審議が一時ストップする事態となりました。
 
 
 
そもそも、クリテリウムはスポンサーが全然集まらないために、さいたま市が約2億円の補助金を支出して開催している状況であり、その税金の使い方について公益性の観点から疑義が生じ、議会から早急に民間移行するよう決議が提出され可決されました。(決議の提出者は私です)
 
 
 
しかし、その数年後に民間とは名ばかりの外郭団体であるさいたまスポーツコミッションに移行することで、民間移行を果たしたと詭弁を通そうとした結果、議会が紛糾し、市長自らも
 
「クリテリウムの民間移行につきましては、その第一歩として市の外郭団体として位置づけられる見込みのさいたまスポーツコミッションへの移行によって、民間団体への移行を踏み出した段階であると考えております。
ー中略ー
最終的な目標であります、議会から御意見をいただきました民間企業を含めました民間移行の実現を目指してまいりたいと考えております。」
 
と答弁せざるを得ない状況となりました。
 
 
 
この市長の発言からもわかる通り、スポーツコミッションは、常勤16名の内、さいたま市からの派遣が8名、さいたま観光国際協会派遣が3名(令和元年)というさいたま市関係者が過半数を超え、かつトップである会長も元副市長という、市の強い影響下にある外郭団体です。(これを民間団体というのにはかなり無理がありませんか?)
 
 
 
また、クリテリウム事業そのものに関しても、約6億円の総事業費の内、先述した通り約2億円をさいたま市が補助金として支出しており、これはもちろん最大の負担金額です。
 
 
 
まさにさいたま市無くしては事業が成立しない仕組みとなっているにも関わらず、市の意思決定機関である市議会の承認前という民主主義的プロセスを踏まずに、数億円にも及ぶ事業費を勝手に複数年契約し予算支出をほぼ確定的にてしまうことは、財政民主主義の観点からも問題があると言わざるを得ません。
 
 
 
そもそも、過去に3年契約を行う際にも、市側が3年の債務負担行為を予算として計上してきた結果、議会は紛糾し、最終的には修正予算案が提出され債務負担は認められず1年ごとの予算計上となりました。
 
 
 
ここでポイントとなるのが、当時、議会が3年に及ぶ債務負担行為を1年ごとの支出に予算案を修正したのは、本来単年度制である行政の不必要な債務負担行為だけを問題視しているわけではなく、そもそもの背景にある複数年契約そのものに疑義を呈したものです。(複数年契約と単年度制は明らかに矛盾します)
 
 
 
事実、この時修正案を提出した自民党市議団は提出理由を「ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム開催支援事業につきまして、着実に1年ずつしっかりと事業を行っていく、それが肝要である。そしてまた、重要であると考え、このような修正案を出させていただいた次第でございます。」としていますし、予算審議の中では複数会派から複数年契約はメリットに対してデメリットが大き過ぎないかとの指摘が相次ぎました。
 
 
 
そして、コロナという想定外の非常事態とはいえ、複数年契約のデメリットが露呈し、うまくASO社に丸め込まれた結果3年契約(3大会)が5年契約(5大会)に変更させられ、継続的な税金の支出を約束させられたわけです。
 
 
 
相手からしたら、コロナで厳しい業績を補填させてくれるいいカモです。
 
 
 
結局、当初予算審査だけでは取集がつかず、後日文教委員会を開催し、その場で報告を受けることが全会派意義なく了承されました。
 
 
 
いずれにせよ、コロナ禍のどさくさに紛れて、批判の多かった複数年契約を更新することは暴挙であると言わざるを得ません。
 
 
 
しっかりと後日の文教委員会において真相を究明して参りたいと思います。