現在、さいたま市内の多くで使われている「大字御蔵〇〇番地」という住所は、もともとは納税のために明治時代に付けられた番号です。


当時、3000万人程度であった日本の人口も、現在では1億人を超え、もともとあった「番地」は、同じ番地が多数あったり、土地の分合筆によって番地が無秩序な状態になるなど、日常生活にいろいろな不便や支障をきたしてきました。


その結果、国では「住居表示に関する法律」を施行し、複雑化した住所を是正し、わかりやすく近代的な住所制度をつくりました。


さいたま市でも、旧浦和市、旧与野市では多くの地域がこの住居表示を実施して、わかりやすい住所を実現していますが、旧大宮市ではほとんどの地域で住所表示が行われることはなく、飛び地が多く存在したり、同一番地や枝番の複雑な住所が多く目に付きます。


特に見沼区片柳地区は酷く、飛び地は市内で一番多く、同一番地も例えば私の住む「御蔵」には私が知る限りでも「御蔵1432番地」が40件以上存在しています。


以上のことから、私は片柳地区で住居表示を実施するべきであると議会で主張し続け、どうにかさいたま市に検討する協議会を設置させることができましたが、検討のスピード感は遅く、また住居表示の実施にあたっては住民発議を考えていると答弁がありました。


しかし、住居表示法の附則の2項には、「市町村は、従前のならわしによる住居の表示が住民の日常生活に不便を与えている市街地である区域について、すみやかにこの法律の規定による住居表示を実施するように努めなければならない」と明記されており、片柳地区のような地域においては、行政が責任を持って住居表示を実施するべきです。


もちろん近隣自治体では、行政が責任持って現在も住居表示を計画的に実施しています。一方さいたま市では、合併以来一度も実施(区画整理を除いて)されていません。


わかりやすい住所にしていくことは、行政の責任です。1日も早く、さいたま市内の住所が近代都市として恥ずかしくない、市民にとってわかりやすく住みやすい住所になることを目指して、今後とも取り組んでまいります。

予算委員会「平成31年度当初予算審査」で住居表示について質問する高子