「住職ではないんだよ。住持なんだよ」
と仰っていたのは建長寺の管長猊下。
「そうか、「職」にしてはいけないんだ、僧侶って」、とその場では「うんうん」うなづいていましたが、果たして住持ってなんぞや?
世界大百科事典にはこのように書かれています。
「仏教用語の一つ。世間にあって、仏法を保ち広める意,またはその人。古くは、仏滅後の世界に、仏法僧の三宝を住持するものとして、仏像・経巻き・出家比丘の三つを指していったが、後代は,一寺の主人として,人々を教化する僧を呼ぶ名となり、日本ではもっぱらこの意味に用いる。もともとインド教団では、一所不住をたてまえとするから、住持の名称はありえない。中国で唐代に寺院制度が確立すると、百丈懐海が清規を制して,教団を管理し弟子を指導する有徳の長老を,住持と名づけたことより始まる」
「三宝を住持する」が由来なんですね。
そして「仕事(サービス業)」ではなく、「教団を管理し弟子を指導する有徳の長老」、このあたりがポイントになりそうですね。
はてさて……。
東京では、居るだけでお金がザクザク入るシステムを愛玩する僧侶をお見かけしますね(「おっさん巡り」には登場しませんのでご安心を)。
彼らは住職であっても、住持ではないのでしょう。
さて、建長寺教学部長長尾和尚のご紹介、これで締めくくりになります。
お寺の活かし方。
住職(いまや住持という言葉はほとんど通用しませんので、こちらで通します)という立場の活かし方。
我々一般人にも、大いに参考になると思います。
もちろん、お寺さんにも……。
地域活性化の活動もしました。
修行から戻ってみると、さらに地元の商店が消え、人口減少もさらに進んでいました。
「なにかしなくては」
「なにができるだろう」
ということで、私はまず、30代40代の仲間に声をかけました。お酒を飲みながら語り合っていたんです。すると、「おもしろい坊さんがいるぞ」、とさらに仲間が増えていったんです。
彼らとまず始めたのは、日曜朝市でした。
私が事務局になり、お下がりの印刷機を譲ってもらい、パンフレットを作りました。この朝市が大成功したんです。
次にやったのは、「くずう原人まつり」です。
*くずう原人まつり ホームページはこちら
http://genjin.info/
ここでも私は事務と広報を担当し、原人の格好をしてテレビにも出ました。企業を回って、一年で八百万円の資金を集めました。
この祭りも大成功し、今も毎年一回、開催しています。平成29年で30回の節目になりました。今年も8月に開催します。
しかし、祭りは打ち上げ花火のようなもの。町に、継続して、人を集められるものではない。そこで、仲間たちと株式会社を作りました。「まちづくり葛生」という会社です。
*まちづくり葛生 ホームページはこちら
https://www.tmo-kuzuu.com/
地元の企業人たちと、資金一億七千万円を集め、「葛の里」という「まちの駅」を作りました。
これらの活動の牽引力は、「仲間」。仲間が集まり、仲間がスクラムを組み、一つ一つ、達成していきました。
願成寺紹介
『鉢の木』の物語の主人公、佐野源左衛門常世の菩提寺。
願成寺 紹介ページはこちら
http://www.city.sano.lg.jp/otakara/html/145.html(佐野市のホームページから)
https://www.tochigiji.or.jp/spot/3244/(とちぎ旅ネットから)