この三月四月と、「お寺日本昔話遊哲会」では、「一人前」をネタにして遊んでいます。
(「怒り」の記事は、また近いうちに)
早速だけど、一人前ってどんな人でしょう?
まぁさ、国語のテストなんかではこんな質問になるでしょう。
問二(問一はだいたい漢字問題だ)「一人前」を使って短文を作りなさい
どう?
解答例1
「おーい、おねえさん、注文お願いします」
「はーい、ちょっとお待ちください……お待たせしました」
「この鶏鍋って、何人前から注文できますか?」
「うちでは、一人前から注文できますよ。地元の名古屋コーチンを使ったお鍋でみなさんに好評です」
「名古屋コーチンなの?オレ、あまり好きじゃないだよな。名古屋出身だけど……」
「裏切り者め」
解答例2
「ほら、あんたももう二十歳過ぎたんだから、しっかり一人前(ひとりまえ)の男として働くんだよ」
解答例3
「ネェA社長さん、あと二時間延長してネ。(うっふん)。それでね、フルーツの盛り合わせと、ワインと、ステーキの盛り合わせとソーセージの盛り合わせと、それとね、それとね………」
「もう、グレゴリアにはかなわんな。もう、なんでも注文しなさい」
(店の裏で、ママが一言)
「あの子も、一人前の「お嬢」になったわね」
*筆者はキャバクラ未体験のため、どのようなものが「売り」になっているか知りません。
「ネェB社長さん、今日は仕事終わったら一緒にゴハン行きましょうね。焼肉がいいな」
(うーむ。解答例2以外は短文ではないからバツかもね。
でも、ユーモアのある先生なら大◯もらえるでしょう。)
ところで、
そもそも一人前とは、共同体の労働力として認められている人たちのことを指していた。
稲作に従事するなら、子供が身体的に成長し、最低限の水準をクリアすると一人前になる。ということは、年老いて最低限の水準をクリアできなくなると、一人前ではなくなる。
注目すべき点は、「最低レベル」ってのが数値化されていたことだ。
で、いまはどうだろう?
資格を取れば一人前なのか?
しかし、資格はただのテスト、現場に立っていない有資格者だっている。彼らは一人前と言えるだろうか?
自立して生活できる人が一人前なのか?
「てらてつ」の教室には、様々な職業の人が参加する。そこで、職人さんの世界を垣間見た。
一流の職人さんって、職の技能は最高峰でも、生活力のない人(車に乗れない、銀行に行ったことない、電車の切符が買えない(もちろん、スイカなんて持ったもったことない、買い物も全て人任せ)も多くいる。彼らは一人前と言えないだろうか?
で、キミはどう思う?
いま、一人前の水準ってのを数値化できるだろうか?
昔みたいに数値化したら、クリアできない成人がたくさんいるんじゃない?
そのあたり、来月に深めて行こう。