日本の美を知る入り口の一つが「間」

 

建築、芸能、音楽などさまざまなシーンで「間」が問われる。

人間関係でも「間」は大切。

 

 

 

↑浜松の実相寺庭園です

 

 

間が悪い

間が持てない

間が抜けている

 

 

僕が思うに、「間」とは「呼吸」。

間が抜けている人は、浅い呼吸しかできていないのだろう。

 

 

 

さて、方広寺ふれあい法話の第二回レポートですが…

紹介する和尚さんの写真、ありません。

 

まさに間が悪く、実相寺のご住職、お着替え中でした(頭に焼きつけていますが、ネガには残っていません。あ!ネガなんてもうほとんど使わないか!?)

(で、法話中の遠くからの写真でご容赦)

 

 

 

 

 

 

巨島信慶和尚 実相寺ご住職

「地獄極楽どこにある」

 

 

世界各国にいろいろは侮蔑フレーズがありますね。

英語なら…

 

Fuck you !

Son of a bitch !

Kiss my ass !

は有名ですね。

他にも、idiot、dump、assholeなどあります。

 

日本語ではなんでしょう?
 

クソ!

「クソ」は英語でも共通ですね。

フランス語でも「Merde!」は、しっかり「クソ!」と同じような役割をします。

 

で、例の一件で「やっぱりこれか〜」の……
 

ハゲ!

これどうでしょう?
ハゲって英語圏やフランス語圏で侮蔑になるのか、ならないのか?
男ホルモンムンムンのセクシーハゲが多い海外、あまり辱めにならないのかも。

 

あと、日本語では……

バカ、アホ、トンマ、マヌケ、タワケ、ノロマなど、知性の低さを侮辱する言葉が多いですね。

 

 

ちなみに、僕は「マヌケ」と言われるのが一番嫌だ……(チキンで切れるヒーローがいましたが、みなさんどうかしら?)

 

 

あと…
ゴミ!カス!ってのもありますが、これらは海外でも使えそうですね(いやいや、使わないでくださいね)。

 

 

さて、こんな話をしているところではない。

彦根藩士の織田信茂という武士が、白隠禅師のところのきました。

 

「地獄と極楽を教えてくれ」

「お前は武士なのに、地獄が怖いのか?」

ここから始まり、白隠禅師はさんざん、信茂を侮辱します。
「クソバカトンマカスチビメガネハゲアホゴミデブゲス……………!(確実に不適切な表現が一つありますな)」

そりゃ、堪忍袋も限界になりますよね。

満面に朱を注ぎ、太刀を抜いた信茂に、白隠禅師は一言。

 

「それが地獄じゃ」

 

 

地獄も極楽もどこかにあるものではなく、心次第で現実が地獄にも極楽にもなる。

地獄とは死んでから行くものではない。

 

 

↑地獄の門ではありません。実相寺山門です。

 

 

さて、僕は思います。

現実が地獄さながら、そんな時代もあったと思います。

疫病、戦さ、飢餓。

さまざまな文献からその悲惨さを知ることができます。

そんな時代に、人々は極楽をイメージし、信じながら生き抜いたのでしょう。

しかし、現代にはそれほどの悲惨さはありません。

むしろ、己の意志をもって生きることができる。つまり、この世を地獄にも極楽にもすることが許されている。

そんな時代にこそ、禅の教えは求められるのではないでしょうか……

 

 

 

 

 

 

プロフィール

大竹 稽(Kei Ootake)
思想家、作家。てらterra株式会社 代表取締役 産経子供ニュース編集顧問

1970年愛知県生まれ。旭丘高校から東京大学理科三類に入学するも、医学に疑問を感じ退学。その後、私塾を始める。現場で授かった問題を練磨するために、再び東大に入学し、そこでフランス思想を研究しながら、禅の実践を始める「お寺で希哲する」を開きながら、共生問題と死の問題に挑んでいる。

既刊/「賢者の智慧の書」「つながる仏教」「ニーチェの悦び」「読書感想文ドリル」
近刊/「ココロってめんどくさいね」