霊……

にわかには信じられない存在ですが、みなさんどうです?
僕は、小説や漫画でならまだ、目を背けないでいられますが(それでもプルプル震えています)

 

映画はもう……


無理!

 

 

ジャパニーズホラーって、世界一恐ろしい!

くないですか?

『リング』とか『呪怨』とか『仄暗い』とか『着信アリ』とか……CMでも見たくないぞこら、そんなコエー音や画、勝手に流すんじゃないぞこら、そんなチキンの僕です。

 

 

「霊っているんでしょうか?」

 

 

こんな質問も玄侑宗久和尚に投げかけてみたら、好返球がありました!
面白いですよ(ハードルを上げても問題ナシ)。

 

 

 

 

霊がいるかいないか。

問題はそこではない。それは……

 

「わからない」

 

この「わからない」というものに結着をつけない姿勢が大事だそうです。

結着をつけるということは「いる」「いない」の存在論に落とし込むということですね。

 

 

 

しかし……

 

「出ちゃう」

 

んです。

出てしまったものにどう対処するか、これは緊急問題。

不思議なことに、宗教にはその手立てがあるそうです。しかし、なぜそうすればいいのか?という筋道はわからない。でも、その通り処置すれば出てしまったものは「出なくなる」。

 

 

 

 

和尚の実際の体験談です。

六十過ぎ歳のご婦人が、ご飯食べて八時くらいになると、突然目を伏せる。少し間があってぱっと目を開けたときには、五歳の男の子になっている。

これが毎晩続く。

そんな日々が続き、ご家族から和尚のところへ相談が持ち込まれたそうです。

 

そこで、

「君はだれ?」

と和尚は聞ききました。

さて、男の子が言うには、「これこれこの時代に自分は死んだんだが位牌がない。位牌を作ってくれ」

玄侑和尚が過去帳を調べ、そして位牌を作って法要をしたら、五歳の男の子は「出なくなった」。

 

ご婦人はご先祖である男の子の家に嫁いできただけ。

無論、このご先祖である男の子と「会話」をしたことはないのだが……

 

 

臨済宗の和尚は除霊をしません。霊という言葉を使うこともほとんどないそうです。

ですが、和尚という仕事柄、拝み屋さんからお願いされることもあるそうで……

 

 

次回は、拝み屋さんとの面白いエピソードを交えてお送りします。

 

 

 

 

 

臨済宗妙心寺派 福島県三春町 福聚寺 玄侑宗久和尚 (RMI) 

 

プロフィール

大竹 稽(Kei Ootake)
モラリスト、作家。てらterra株式会社 代表取締役 産経子供ニュース編集顧問

1970年愛知県生まれ。旭丘高校から東京大学理科三類に入学するも、医学に疑問を感じ退学。その後、私塾を始める。現場で授かった問題を練磨するために、再び東大に入学し、そこでフランス思想を研究しながら、禅の実践を始める「お寺で希哲する」を開きながら、共生問題と死の問題に挑んでいる。

既刊/「賢者の智慧の書」「つながる仏教」「ニーチェの悦び」「読書感想文ドリル」
近刊/「ココロってめんどくさいね」