ある子が世間の耳目をひく成果をあげる。するとその親の「子育て」が注目される。

あたかもそれが、あらゆる子供を立派に育てうる唯一無二の正解のように…

 

 

ん?

 

それって、唯一無二かい?

だれにでも通用するようなもの、唯一無二なんて言っちゃダメよね(カッ)。

 

 

 

 

「親になる」という意識には、親として

 

「こうしないとダメ」「こうしたらダメ」というダメダメ思考が

 

潜んでいる(ひっそりとね)。

この思考の落とし穴は感謝を欠いていること。

だれもかれも子供を授かるわけではない。不妊治療の過酷さは、本人でなければわからないだろう。夫もしばしば押しつぶされそうなストレスを感じるが、妻のほうは…。その緊張と苦悩は…。

 

現代は不妊治療が行われるが、以前はどうだったか。母親たちの嘆きは水子地蔵が受け止めているんでしょうね。

 

 

先のお母さんは、確かに責任感が強い人だったんです。

「やることやっている」という発言からよっくわかります。

 

でも

 

「やることやっている」

って?
子育ては義務ですか?そこに感謝はありますか?

 

 

 

岩田和尚は「感謝ノート」をつけることを勧めたそうです。

一日三つ、必ずなんでもいいから感謝する。

条件は二つ。

*毎日書き続ける。

*同じことに感謝してはならない。

 

 

この「感謝ノート」を三ヶ月続けたところ、お母さん自身に大きな変化があったそうです。もちろん、その後のお子さんとの関係は…推して知るべし。

 

 

 

親子とは、「己」を知る最もスリリングな関係ですよね。

優等生で責任感の強い女性だったけど、「それだけじゃ泣いちゃうよ!」と子供からダメだしもらったんでしょうね。

 

 

子供は素直ですよね。

目の前の人の顔をしっかり受け止めて応えてきます。

 

「こうしないとダメ」「こうしたらダメ」というダメダメ思考のお母さんの顔

どんな顔だったんでしょうね?

 

 

きっと、泣いちゃう顔だったんでしょうね。

子供は善悪で判断しません。

面白ければ笑い、怖ければ泣く、それだけ。



唯一無二とは、目の前の子供(人)との関係が奇跡的に成立していることを指すんです。

 

 

 

 

さてさてみなさん。

いま自分がどんな顔をしているか?

目の前に鏡を置いたらどんな顔がそこに映るか?

 

 

リフレクションは内省という意味。そしてこの言葉には反射という意味もありますよね。

鏡に映る自分の顔、しばしば意識してみるのはいかがでしょう?

 

 

臨済宗建長寺派 群馬県桐生市 崇禅寺 岩田真哉和尚 (RKIV)

 

*崇禅寺さんHP

http://www.souzenji.jp/

*大人気御朱印
https://www.facebook.com/Souzenji%E5%B4%87%E7%A6%85%E5%AF%BA-241384906360008/

*「きたかんナビ」でのご紹介(去年)。今年の秋の紅葉も間近ですね。

http://kitakan-navi.jp/archives/16481

*春には「七草がゆの会」が催されます。産経ニュースより。
http://www.sankei.com/region/news/150108/rgn1501080048-n1.html

*崇禅寺の自然を守る会
http://www.city.kiryu.lg.jp/kurashi/shimin/dantai/shizen/1001224.html

 

 

プロフィール

大竹 稽(Kei Ootake)
モラリスト、作家。てらterra株式会社 代表取締役 産経子供ニュース編集顧問

1970年愛知県生まれ。旭丘高校から東京大学理科三類に入学するも、医学に疑問を感じ退学。その後、私塾を始める。現場で授かった問題を練磨するために、再び東大に入学し、そこでフランス思想を研究しながら、禅の実践を始める「お寺で希哲する」を開きながら、共生問題と死の問題に挑んでいる。

既刊/「賢者の智慧の書」「つながる仏教」「ニーチェの悦び」「読書感想文ドリル」
近刊/「ココロってめんどくさいね」