帰り道をともにするだけだったのが、
いつの間にか
図書館で逢引きするようになっていた。
娘が大好きな図書館に
日々通っていたのは
彼に出会う以前からのこと
そこに
彼がやって来た。
娘はどう思っていたのかな?
スーパーのお兄さんに
よく会うな?って思ってたかな…
『これ、読んで』
娘が持ってきたのは
ウチにあるお気に入りの絵本の
英語版。
私の発音で……
英語に自信なんてないから
他の絵本を勧めていたら、
ふいに彼が現れた
『読んであげよっか?』
彼はネイティブばりの発音で
絵本を読み始めた。
感心する私
『ママがいい。』
彼と距離をとる娘
『スーパーのお兄さんだよ?
いつもいるでしょ?サンドイッチ売ってくれる…』
娘に笑顔がもどった。
彼と娘を近づけるのは
私も良いとは思わない。
だけど彼の英語が凄いから…
親心で
たまに英語の絵本を彼に読んでもらったりした。
そんな日が半年くらい続いたある日、
彼に告げられた。
『来月、韓国に帰るよ』
『そっか』
卒業するまでいるんだと
思い込んでいたから…
来月ってすぐだね
わかっていたけど、
ゲーム終了の合図は
思ったより早く訪れた