先に席を立って
帰って行こうとする
彼を彼女は引き留めて――
「連絡先、教えて?」
本当に
久しぶりにあったみたい。
でもジェジュンの前で
堂々と連絡先を聞くのは・・・
どうなのかな?・・・
何でもないと言っても、
いい気はしないと思う。
ジェジュンは
黙って見てた。
そんなジェジュンを
つい
切ない目で
追いかけてしまう
私の悪い癖・・・
連絡先を交換すると
シムさんは
帰って行った。
私も・・・
「そろそろ
帰ろうかな。」
「○○さんも
帰るんですか?
じゃあ、私も――」
「え?いや
ゆっくりしていけば・・・」
私が帰るのは
そのためで・・・
「そうだよ。
もう少し居れば?」
送って行くから―――
「でも・・・」
はぁ~・・・
お人好しは
嫌いなのに・・・
「・・私ね、
この後、
用事があるんですよ。」
いっそ
結婚式の
招待状でも
送りつけてくれた方が
マシな気がする。
過程を見守るのは
痛みに鈍感になった
私でも辛いよ・・・
まして
手助けまでするなんてね・・・――
「早く用事が終わったら
戻ってきますから。」
それまで二人で――
玄関のドアが
閉まったのを
確認して
そのままもたれ掛った。
ハァ~・・・
自分のため息で
また
気持ちが重くなる。
早く帰ろう。
って言っても
隣の家――
家に居ても
二人が気になるに
決まってる。
少し歩こうかな・・・
あれ?・・・
まだ帰ってなかったんだ?・・
家から
少し離れたところ――
彼が居た。
話しかける?
・・何を?・・・
だよね・・・
気付かれないように
通り過ぎることを
選んだ私。
だけど――
あっ・・・
バッチリ目が合った。
「えっ・・と・・
まだ帰ってなかったんだね?」
ずっとここに?――
「・・・」
「何か用事でも?
まだ、居るよ?
二人きりだから、
行くの気まずいかも
しれないけどね・・」
いい感じだったから
あの二人―――
それ以上
何も言えなくなった。
彼の視線が
そうさせた。
何か
気に障ること言った?・・
私に軽く会釈をして
運転席に乗り込むや
いなや
発車させた。
去って行く
車のバックライトで
照らされた私は
キョトンとしてたと思う。
何が
起こったのか
わからなかった。
なぜ、あんな目で?・・・
彼は・・何なんだろう・・・
ジェジュンの家を
出た時とは
全く違う顔――
どうして
帰らずに居たんだろう?
私は
それから
そんなことを
考えながら
家の周りを
何周したんだろう。
時間を確認しようと
手にした携帯が
鳴りだした。
ジェジュン――
「はい。
どうしたの?」
「お前こそ、
何やってんの?」
その後、
車のクラクションで
呼ばれた。
こんな時間に出歩いて・・・」
手招きされて、
助手席に乗った。
「送って行ったの?」
「あぁ――」
「・・良い人だね
・・彼女――」
その笑顔が
憎らしくて・・・
「早く
付き合えばいいのに。」
もたもたしてたら
誰かに取られちゃうよ――
投げやりになった。
「うん・・・まぁな・・」
え?何でそんな
浮かない顔するの?
どうでもいいと
思ったのに、
予想外の反応を
されると心配になる。
「何?・・違うの?」
「いや、違わない。
そうしたいんだけど・・・」
「・・彼女が?」
無言で頷いた。
「何で?
その気、
有りそうに見えたけどな・・」
「だろ?・・
でもな・・・」
じぇじゅんも
わからないのに、
彼女が
渋る理由が何なのか
今日会ったばかりの
私には見当もつかない。
つくはずもない。
なのに、
狭い知識の中で
考えていたら
浮かんできた。
あの目―――
彼が関係しているの?
疑いが生まれた。









