「えっ!?!?」
私は運転席の彼に、
目を疑った。
まさか
彼だなんて・・・
「っ!!・・・」
彼の驚きは
表情に現れていて、
私に気付いたみたいだった。
さっきまで
一緒に居たんだから
顔くらい
覚えているよね。
私たちの様子を
近くで見ていた
ジェジュンは――
「・・知り合いなのか?」
私に尋ねる。
「知り合いって言うか・・・」
言葉を探していたら、
ジェジュンの隣の彼女も――
「そうなの?
チャンミン―――」
運転席を覗き込んで
聞いた。
一瞬たりとも
迷うことなく答える。
「いや――」
あっさり言い切った。
え?・・・
”あっ!”って顔したよね?
私のこと見て・・・
二人が違うことを
言うから
ジェジュンも彼女も
不思議そうに
してる。
「あー・・
1,2回しか会ったことは
なくて・・」
車校の教官だって
説明しようと思った。
でも
その前に
ジェジュンが
彼を誘ったから
言うタイミングを
逃した。
「せっかくだし、
一緒に食べてもらえば?」
直接
彼に言えばいいのに、
隣にいる彼女に
伝言させた。
「僕はいいよ。」
ギアに手をかけて
もう帰りたそうな
雰囲気が伝わってくる。
私と一緒?
”私も帰る”って
言おうとしたら
ジェジュンが
”ダメだ”って目で
訴えてくる。
そんな~・・・
仲を深めようとしている
二人に挟まれて
食事なんて
嫌だよ。
せめて
もう一人・・・
この人しかいない―――
「ん?あれ・・・
これ、何だろう・・・
傷かな?凹み?」
「え?・・・」
綺麗にお手入れされた
車だったから
言ってみたら、
彼が食いついた。
「石でも飛んだのかな~」
降りて来ないと
見えない
助手席側。
彼は
気になって
仕方がない
という様子だった。
”ん?何?”
”どこだよ?”
ジェジュンと彼女には
見えない傷――
「ここ・・見えないの?」
私にしか
見えないに決まってる
有りもしない傷を
指差して教える。
私が
あまりに騒ぐから――
「どこですか?」
車を脇に
寄せて
心配そうに
降りて来た。
してやったり――
降りて来たら
こっちのもんでしょ?
「ここ・・・」
「え?」
車のボディーを
まじまじと見る彼。
「あっ
光の加減だった!
こっちからみたら、
何ともなってないみたい。
アハハ~」
ごめんなさい、
勘違いだったみたい――
私のくさいお芝居――
何のために?って
思ってる?
それは・・・――
「車も停めたことだし、
せっかくだから、
どーぞ?」
時間ないなら
コーヒーだけでも――
彼女を送って来た
彼のことが
ずっと気になって
仕方がないって顔してた
ジェジュンが
そのまま
帰すわけないと
思ったから。
この状況で、
断われないでしょ?――
チラッと見たら
目が合いそうになって
視線を外す。
バレタかな?・・・
「・・はい・・・少しだけ・・」
彼は
しぶしぶながら
承諾した。
道連れにした
彼を交えて
4人での食事会――
帰りたいけど・・・
少しだけ
気になってた。
ジェジュンと彼女・・・
そして
シムさんと彼女の関係――









