仕事を終えて
帰る準備・・
というか
ユノさんの事務所に
行こうとしていたら
チャンミンに
呼ばれた。
「〇〇さん。
帰るんですか?
食事でもどうですか?」
あ・・・
「今日は用事があって・・
すみません。」
ユノさんの
事務所に通っていることは
チャンミンには内緒。
怒られるに
決まっているから。
チャンミンの
誘いを断って
ユノさんの事務所で
仕事をしていた。
忙しいのが
落ち着いたのか
事務所にも
ちらほら人が居て
話している。
「さっきの人は?」
「あーチャンミンさん。
社長の弟だよ――」
ん?・・
何て言った??
「社長の弟って
今言いました?」
恐る恐る
聞き返した。
「はい。
ユノさんの弟さんが
現場に来てました。
あ、〇〇さん
同じ会社ですから
知ってますよね?」
「・・・はい・・」
まずい!
チャンミンが来てる!!
ここに居ることが
見つかったら・・・
事務所まで来るかな?
来ないか・・・
いや・・でも
万が一・・・・
窓から覗いたら
二人が
こちらに向かって
来ているのがわかった。
どうしよ!?
「私今日は
お先に失礼します!」
「え?早いんだね?」
「はい。
今日の分は
終わってますから。
では失礼しまーす。」
逃げるように
事務所を後にした。
何とか
見つからずに
抜け出せた。
一息ついたら―――
「何してるんですか?」
「あっ!!!」
「驚きすぎですよ。」
「・・・」
こんなところで
会ったら
誤魔化しようがない。
「チャンミンこそ・・
何しているの?」
「僕は兄さんの職場
見学です。
独立のお祝いも
言ってなかったし・・」
「そう・・・」
「で?・・」
〇〇さんは
何をしているんですか?――
その目・・
わかってるくせに・・・
「・・ちょっと
お手伝いを・・・」
「手伝い?」
半笑いで
責められる――
「仕事してたんですか?
ここで・・・」
「うん・・・」
「毎晩?」
「まぁ・・・」
「はっきり
言えないってことは
わかってるんですよね?
イケないことだって・・」
「チャンミン・・・」
「ウチの会社の
就業規則知ってますか?」
「え?」
「”許可なく他業を営み
他会社の業務に携わらない事”」
そんな・・・
「お金は発生してないよ?
ボランティア・・」
「兄さんは
支払うって
言ってましたよ。」
「え・・そんな
つもりじゃないのに・・
断わるよ!」
ていうより・・
どうして
ユノさんに確認してるの?
私がここで
働いていたこと
知っていたからだよね?
「断っても
兄さんは支払うと
思いますよ。
そうゆう性格ですから。」
「じゃあ
どうすれば・・?・・」
「どうしようもないでしょうね。
”クビ”です。」
「は!?」
いきなり
どうしてそんなことに
なっちゃうの!?
「運が悪かったですね。
僕は上司ですから
見逃すわけには
いきません。
他の社員に
示しもつきませんから。」
「ね・・ちょっと・・
冗談でしょ?」
真剣な表情で
言っているけど
”クビ”って・・
冗談だよね?
「つまらない冗談は
僕の趣味では
ありません。」
そんな真顔で
言わないでよ・・
本気ってこと?
「でも急に辞めたら・・・」
「仕事の引継ぎなら
僕がやりますから。」
そうだね・・
ここのところ
チャンミンと
一緒に
仕事していたもんね・・
私が辞めても
困らない。
「明日から
来なくていいです。
退職処理は僕が
しておきます。」
そう言って
颯爽と去って行くけど・・
冗談だよね!?
しばらく
冗談だと
自分に言い聞かせて
落ち着かせようと
試みた。
だけど
チャンミンの顔を
思い出したら
冗談じゃないって
焦って来て・・・・
会社は困らないかも
しれないけど
私は困る!!
明日から
急に来なくてもいいなんて・・
困るよ!!!
どうするの!!?
こんなの想定外・・







