意地になっていた。
何故
ユノさんが
あんな態度なのか・・
前は違ったのに・・
私のこと
必要だと
思わせたかった。
ユノさんに
宣言した通り
私はユノさんの
事務所に通った。
ときどき
事務所に戻って来た
ユノさんと
顔を合わせても
何も言われなかった。
無視・・・・
いつか本気で
拒絶されて
しまうかもしれないと
言う思いもあって
私は手伝いながら
周りの人が
私が居なくても
わかるように
丁寧に教えながら
やっていた。
「〇〇さん
ここで働いて
くださいよ。」
ユノさん以外は
みんな
私を受け入れて
くれている。
今のだって
聞こえているはずなのに・・
「俺
仮眠してくるから・・」
事務所の奥へと
消えていった。
どんなに
ユノさんに避けらても
好きな気持ちは
変わらない。
伝わるまで
頑張る・・・
私だって
そんなに強くない。
心が折れそうになる時も
あるけど・・・
自分の部屋にも
戻らず
仮眠室で寝ている
ユノさんを
見たら
やっぱり放って置けないから・・
「風邪引いちゃいますよ・・・」
何も掛けずに
眠っているユノさんに
そっと上着を掛けた。
ユノさんの寝顔を
見るのは
初めてじゃない。
今日は苦しい顔
していないんですね?
もう大丈夫なのかな・・・
「私がここにいること・・・
無意味ですか?・・
もう止めた方がいい?」
寝ているユノさんは
答えないから
言いたいことが
言えた。
ユノさんの
会社は少しずつだけど
新規も増えて
軌道に乗って来た。
ユノさんの
頑張りが実って行く・・
ユノさんの
表情も明るくなった。
忙しくなって
仕事量が増えると
これまで
事務を
兼任していた人たちも
それどころでは
なくなる。
その分を
埋めてあげたくて
一生懸命に
なり過ぎてた。
夜遅くなることもあった。
それでも
次の日はいつも通り
出勤して時間内に
仕事を片付ける。
そしてまた
ユノさんの事務所へ――
忙しいからか
私を仲間として
認識しているからなのか
事務作業は
ほとんど私に
任せるようになって
事務所では
一人で仕事をすることが
多くなっていた。
今夜も一人――
そう思ったら
ユノさんが
コーヒーを淹れに
戻って来た。
ユノさんは
私とは話してくれないから
実質一人みたいなもので
私がパソコンを打つ音と
ユノさんが
コーヒーを入れる音だけが
室内に響いていた。
疲れていたのかな・・・
静かさに
ウトウトしてしまった。
自分では
ほんの数秒
目を瞑っただけだと
思っていた。
でも
コーヒーの香りで
目が覚めたとき
事務所には
誰も居なくなっていて・・
机の上に
湯気が漂うコーヒー。
そして
私の肩には
ジャケットが掛けられていた。
ユノ・・さんの・・・
目頭が
熱くなって上を向いた。
肩もユノさんの
ジャケットのおかげで
温かい・・
ユノさん・・・
私居てもいいですか?
こんなことされたら・・・
余計に
好きになっちゃいます。
ユノさん・・
あなたの気持ちが
見えない――




