ときどき

〇〇さんは

兄さんのことが

好きなのかと

思わせる――


僕のシャツが

コーヒーで

汚れた日も

そうだった。


東方神起~妄想ラブストーリー~


廊下で

すれ違った

兄さんと

親しげに話をして

遠ざかる

その背中が

消えるまで

見つめていた。


好きなんですか?


聞きたくなる

衝動を抑える。



〇〇さんが

買って来てくれた

ワイシャツ――


いつも着ている

シャツなのに

着心地が違って

感じた。


○○さんが

選んだ――


理由はそこにある。


意気揚々と

役員会議に

出掛けた僕・・


普段は気にならないのに

その日は

兄さんのことが

気になった。



近づいた背中――


「兄さん・・

何か付いてます・・」


東方神起~妄想ラブストーリー~


「ん?」


襟元から

新品のシャツにしか

付いていない

タグが出ていた。


良く見知った

タグ――


さっきも

見たっけ・・


自分のワイシャツを

着るときに・・



「新品ですか。」


タグを取って

見せると

悪気なく笑って言う。


「あぁそうなんだ。

汚れてたから

着替えた。」


〇〇さんが

兄さんに

渡したんだろう。


僕は嫉妬した。



それに加えて

兄さんの

代わりに

現場に向かった

○○さん・・・


東方神起~妄想ラブストーリー~


僕の嫉妬は

さらに膨れ上がった。


僕は

自分が思っているよりも

ずっと

子供だった。


嫉妬した挙句

〇〇さんを

束縛してしまいたくなったんだ。


僕の仕事を

与えて

帰れないようにした。


抱えていた

書類をそのまま

持って

別室へ――


呼び出した〇〇さんに

”急ぎだ”と言って

渡した。


半分は

終わっているけど

もう半分を

終わらせるのも

時間がかかるだろう・・


最後は

一緒にやればいい――


そう思ったのに

少しして

覗きに行ったら

もうほとんど終わっていた。



東方神起~妄想ラブストーリー~


さすがですね――


思わず笑みが

こぼれてしまう。


〇〇さんが

仕事が出来るってこと

忘れてたわけじゃない。


でもやっぱり

凄いです、あなたは・・


こんなことなら

もっと

残しておけば

良かったかな・・


そんなことを

考える僕は

本当に子どもだ。


少し会話を

交わして

仕事に戻った時

〇〇さんが

僕を呼んだんだ。


「チャンミン――」


東方神起~妄想ラブストーリー~


「はい?」


落ち着いた

優しい声――


僕まで

穏やかな気持ちになる。


彼女を向いた

僕を誘う。


「明日の夜

空いてる?」


それって

デートですか?


「えぇ・・空いてますよ?」


「良かった・・

ご飯でも

食べに行かない?」


最後に

口角をあげて

微笑むから――



東方神起~妄想ラブストーリー~


「いいですよ――」


僕だって

少し

照れてしまう。


この前の

返事・・


聞かせてくれますよね?――