嫉妬のせいで

余計に

ユチョンの態度に

不満が募っていた。


せっかく

ジェジュンが

送ってくれているのに

ろくに

話しも出来ない。



妙に落ち込んで

黙りこむ私を

ジェジュンは心配する。



東方神起~妄想ラブストーリー~


「〇〇ちゃん?

どうした?気分でも

悪い?窓開ける?」


「うぅん・・大丈夫。

今日仕事が忙しかったから・・

ちょっと疲れたのかも・・」


もっと心配そうな

顔になって

私を覗き込む。


「そうなの?

大丈夫?」


そんなに

心配されると

思わなかったから

申し訳ない気分になった。


「うん!大丈夫大丈夫。

ごめんね・・

せっかく送ってくれたのに・・」



東方神起~妄想ラブストーリー~


「いや

全然いいよ。」


優しく微笑んだあと

ジェジュンが言った。


「ユチョンかと思った・・」


「え?・・」


”ユチョン”?


運転席の

ジェジュンを見たら

またニコっと微笑んで

言う。


「ユチョンが

一緒に乗らなかったから

〇〇ちゃん

元気なくなっちゃったのかと

思った・・」


「・・・そんな・・」


「あっは

違うよね?」


勘違いしてたって

声を出して

ジェジュンは笑った。


私は・・・

何も言えない・・・


だって

ユチョンと私・・


何なのかわからないもん・・・




東方神起~妄想ラブストーリー~


「じゃあまたね――

気を付けてね。」


家の近くで

私を降ろすと

ジェジュンは帰って行った。


ユチョンに出逢う前の

私だったら

こんな展開

最高に嬉しかったはずなのに

今は

たった今別れたばかりの

ジェジュンより

ユチョンの方が気になる。


家までの道を

歩き始めた

私の携帯を

鳴らしたのは

そのユチョンだった。


『来て――』


たった一行のメール。


何それ!?


思いながら

方向転換して

ユチョンの部屋に

歩き出す自分が

哀しい・・


ユチョンが

どう思っているのか

わからないけど

私はユチョンが

好きなんだもん・・・


好きなんだよ・・


東方神起~妄想ラブストーリー~



「早かったな?」


だからこそ・・



「コーヒー飲もうと

思ってたんだけど

〇〇も飲む?」


だからこそ

こんなに普通な

ユチョンの態度に

腹が立ってしまう。


「要らない。」


チラッとだけ

私を振り返って

また背中を見せる。



東方神起~妄想ラブストーリー~


広くて

大きな背中が

恋しいのに

とても憎らしく感じて

しまう。


ユチョン・・・


ユチョンが

何を考えているのか

私はわからないよ・・・


キッチンから

戻ってきた

ユチョンは

カップを二つ持っていた。


要らないって

言ったのに・・・


コーヒーを

受け取っても

飲まないし

口も利かない

不機嫌な私に

ユチョンは

気付いているのに

何も言わない。


黙って

コーヒーを

啜る。


どうして何も

言わないの?


何も聞いてくれないの?


ジェジュンと

帰って来たんだよ?


でもまさか

”私はユチョンの

何なの?”なんて

言えない。


一気に

重い女になっちゃう・・


そんな時

私の携帯が鳴った。


ジェジュンからの

メールだった。


メールチェックをして

顔をあげたら

ユチョンと目が合った。



東方神起~妄想ラブストーリー~

こっちをじっと見てる・・・



気になる?――




「ジェジュン・・」


私はそう

呟いた。


軽く

頷くだけで言及も

されなかった。


”無事に帰れた?”って

確認のメールだったから

早く返さないと

ジェジュンが心配して

しまうと思って

メールを打ち始めた私――


携帯画面に

急に影が差した。


ユチョン・・

東方神起~妄想ラブストーリー~


「返すの?」


私の前に立って

ユチョンが聞く。


「え?」


突然立ちはだかって

話すからよく聞き取れなくて

聞き返したら

”ジェジュンに

メールを返してるのか”って・・・


「うん。

無事に帰れたか

心配してるから・・」


そうしたら

携帯の画面の前に

手を出して――

東方神起~妄想ラブストーリー~


「返すな。」


って怖い顔・・・


ユチョン?・・


「俺が好きなら

ジェジュンにメールは

返すな。」


「・・・」


好きだよ?・・

でもどうして今になって

言うの?


「〇〇・・」


「好きだよ・・ユチョンが。

・・ユチョンは?」


思わず聞き返してた。


「好きだよ。」


その言葉・・


嬉しいのに

鵜呑みに出来ないの・・・


「じゃあどうして

ジェジュンと二人で

帰したの!?

どうしてみんなに

私とのこと隠してるの?」



自分でも

どうしようもない

感情が

湧き上がって来て

つい大声を

あげていた。


感情的になった

私にユチョンは

驚いていた。


東方神起~妄想ラブストーリー~


「隠してないよ。」


「隠してる!

機会があったら言うって

言ってたのに

全然言おうとしなかった!」


「そんなに

それが大事なことか?」


「っ!・・大事だよ!

ユチョンにとっては

どっちでもいいことかも

知れないけど

私にとっては大事だよ!

付き合って欲しいって

言われたわけでも

告白されたわけでも

なくて・・・友達にも

話してくれなくて・・」


言いながら

ユチョンの目が

見ていられなくなって

目を逸らしたら

コンポの前に積まれた

CDが目に入ってしまったから

もう止まらない。


ユチョンの部屋に

出入りするようになった頃から

何となく

思っていた。


ユチョンの昔の

彼女は音楽関係の人なんじゃ

ないかって・・


部屋においてある

数枚のCD-ROMに

マジックの走り書きで

曲名と名前そして

【Dear ユチョン】の文字・・


今日それが

確信に変わった。


彼女のことはみんな

知ってたじゃない・・


また嫉妬心が

私を襲う。


「前の彼女のことは

みんな知ってた・・・」



東方神起~妄想ラブストーリー~


「・・・」



「私・・知っちゃったんだから・・

ユチョンが

出逢った頃

あんなに落ち込んでた理由・・

もう知ってるんだから・・

まだ忘れられない?

だから言いたくないの?

それとも私は・・」


「〇〇!」


ユチョンがそれ以上

言うなって

声を大きくした。


だけど私

苦しいよ・・


「私はただの

慰めだった?」


「〇〇!!」


「いいの!

あの時はそのつもりだった。

それでもいいって思った。

だけど今は嫌・・

今も慰めでしか

ないなんて

それは嫌!!」


東方神起~妄想ラブストーリー~


感情的になり過ぎてた。


嫉妬が私を

狂わせた。


ユチョンの横を

通り過ぎて

ユチョンの大切な

CDを床に叩きつけちゃった・・・


最低だ・・


私は最低・・・


ユチョンの大切なものに

当たるなんて最低・・


説明しようのない

涙が溢れ出して来て

私は走ってユチョンの

部屋を出た。


追いかけて

来てくれるわけも

ないのに・・・