初めのプレゼンで

クライアントも

私が担当することに

納得してくれた。


そこから始まった

二つの作業――



期日が迫ってくると

平日昼間は

仕事に集中して

残業もほぼ毎日。


帰ってから

公募のために

寝る間も惜しんで

時間を費やした。


二つの作業の

結果が出るのは

だいたい同時期だから

最後まで両立させないと

いけない。


不思議と

時間に余裕は

なくなっても

心に余裕はあった。


でも社長は

気遣ってくれる――


東方神起~妄想ラブストーリー~


「〇〇さん・・

大丈夫?

最近残業続きみたいだけど・・」


そんなに大変だったら

手伝うって

社長が申し出てくれたけど

それは断った。


もしこの仕事だけだったら

こんなに大変では

なかったから。


これは私の都合で

こうなっているだけ・・


二つとも

中途半端にならないようにって

チャンミンと約束したから。


そんな生活を

続けて出来上がった

企画はどちらも

自信があった。


公募の締めきりに

間に合うように提出して

1次、2次と選考を

くぐり抜けて

あとは最終の結果待ち――



東方神起~妄想ラブストーリー~



「自信あるんだろ?

なんか元気ないけど

緊張してる?」


「うぅん・・」


自信はあるよ・・


今までで

一番の企画かもって

奢ってる部分もあるくらい

自信はある。


だから

結果が近づくにつれて

考えることが

出てきた。


今の職場は?・・


きっと社長に任せて

もらえた案件も

契約までイケると思う。


その後の

クライアントの意向を

取り入れた

修正作業とか

誰かに引継ぎして

やってもらうことになるんだよね?


いいのかな・・


せっかく

社長ではなく

私と仕事をしても良いと

言ってくれた

クライアントにも

失礼なんじゃないかな・・



東方神起~妄想ラブストーリー~


「採用が決まったら

どうする?

配属の希望は?

1課?2課?

1課だったら僕の・・・」


「え!?

チャンミンの部下に

なっちゃうの!?」


「ハハハハハ

”〇〇~これ

修正しておいて”

あーいいな~それ!」


チャンミンが

嬉しそうに

笑うから

私もつられて笑う。


「嫌だよ!絶対いやっ

チャンミン

コキ使うもんっ絶対!!」


家政婦時代の

前例があるからね・・


チャンミンにコキ使われることは

私にだってわかる。






結果発表当日――


どんなに自信があっても

当日となると

さすがに緊張する・・


今日の結果次第で

私の人生が

また大きく変わるかもしれない。



出勤前

チャンミンが抱きしめて

くれた。


東方神起~妄想ラブストーリー~


「大丈夫だよ――

〇〇は。

わかったら

連絡ちょうだい。

今日社外で打ち合わせ

続くから・・・」


「うん。」


短く返事をして

会社に向かった。


結果ばかり気にして

仕事にならなくては

困る。



奇しくも

今日は仕事の契約が

交わされるか決断が

下される日でもあるから・・


最後の最後の

打ち合わせ――


社長と営業のジュンスも

同席の上

クライアントと

顔を合わせた。



何の滞りもなく

スムーズに

最終的な契約を

交わすことができた。



東方神起~妄想ラブストーリー~


クライアントが

帰ってから

社長もご満悦で

思わずハイタッチしようとした

手を引っ込めていたのを

私とジュンスは

見逃さなかった。


でも二人とも

そこまですぐに

テンションを持って

行けなかったから

見てみないフリを

しておいた。


「あーでも良かった!!

ホントに・・

〇〇さん

ジュンス

お疲れ様!

よく頑張ってくれた。」


この会社は

本当に働きやすくて

周りの環境も贅沢なくらい

良い・・


私・・本当に

ここ辞めるのかな?




こっちが上手く行くと

もう一つが気になる。


もうすぐ

連絡が来ても良いはず・・・


電話連絡のはずだから

携帯を目に入る位置に

置いて

仕事に戻った。


見える位置にあると

気になって

仕事にならないから

バッグの中に

しまってみた。


でも鳴ってるのに

聞こえなかったら?

なんて思って

また机の上に取り出す。


一人でそわそわしていた。



東方神起~妄想ラブストーリー~

「〇〇さん・・

結果、今日なんですか?」

「ジュンス!

びっくりした・・・

あ・・そうなの・・」


「結果出るまで

落ち着きませんね。」


「うん・・」


「ウッハハハ

大丈夫ですよ

〇〇さんなら。

待ちわびてないで

気を紛らわせた方が

いいですよ?」


ジュンスは

私の机の上に

仕事の資料を残して

去って行った。


ありがとう・・・


それから

すぐだった。



選考の結果を

知らせる電話が

鳴ったのは――