寝る前
私はチャンミンの部屋に行った。
私って子供みたい・・
彼の前では
そうなってしまう。
年下なのに
どうしてかな・・
頼もしくて
安心できる――
一緒に寝たいって言ったら
クスクス笑って
布団に入れてくれた。
チャンミンの温もり―――
チャンミンのベッド・・
「チャンミンの
匂いがする・・・」
「ん?・・どんな匂い?」
「温かい匂い・・」
笑ってるけど
知らないでしょ?
心が安らぐんだよ?・・
「ん・・〇〇も
匂いする。」
「どんな・・?」
チャンミンにとって
私の匂いって?
「シャンプーの匂い。」
「・・・」
普通じゃん!!・・
「何期待してた?」
あ・・
「ん?何も!?
期待してないよ??
お風呂入った
ばかりだからね・・
シャンプーの匂いだよね・・」
そんなのわかってるもん・・・
「あーいい匂い。
シャンプーって
こんないい匂いしたっけ?」
抱き締めて
私の髪の匂いを
嗅いでいる。
「ちょっとぉ~・・
苦しいんだけど!?」
私はチャンミンの
胸元に顔を
埋める感じになって
息が苦しい・・
「ん~・・・
いい匂いだから・・・」
「シャンプーなら
チャンミンも
同じの使ってるでしょ・・?」
「自分の髪の匂い
嗅げない・・」
「・・・」
もう・・・
「あ~ホント
良いなぁ・・・
優しい匂い・・
安心する・・
ずっとこうしてたいな・・」
!!・・?・・
チャン・・ミン・・・?・・
「もう・・意地悪・・・」
初めから
そう言ってくれればいいのに・・
って言う前に―――
”シー”って―――
もう喋るな?・・・・
「んん・・・」
唇が重なった。
「あっんんん・・
チャンミン・・・」
「〇〇・・・」
そのあとは
お風呂で愛し合ったよりも
長く二人繫がっていた。
愛する人と体を
重ねること・・
こんなにも
心地良いものだって
チャンミンと付き合って
初めって知った。
「〇〇~
準備できた?」
「あぁうん!
今行くぅ~・・・」
出勤の準備をして
チャンミンが待つ玄関へ――
歩きながら
携帯をチェックして
ドキっとした。
どうしよう・・・・
「どうした?」
私の表情が
強張ったのが
わかったのか
チャンミンが聞く。
「あ・・社長から
電話が・・・・」
普通に何でも
なかったように
仕事に戻れるとは
思っていない。
覚悟はできてる・・
でも私がホテルを
去ってすぐくらいの
時間からだろうか・・・
着信履歴が
社長でいっぱいになっていた。
会社にとって
大きな仕事を
理由も言わずに
放棄してきたんだもんね・・
「大丈夫?」
着いて行こうか?――――
って心配してくれる。
「大丈夫。
仕事、放りだして
来たんだもん・・
社会人として
自分でけじめつけないとね・・」
重い雰囲気で
別れ道まで歩いて
”じゃあね”って
手を振って
それぞれの方向へ――
でもチャンミンが・・
「〇〇!」
呼び止めた。
「ん?」
振りかえって
聞き返した
私に言ってくれた――
「あれが仕事だって
言われたら
辞めていいから――」
次の仕事が見つかるまで
私のことを養ってくれるって・・・
チャンミン!!・・
朝から泣きそうだよ・・
重大なミスを犯した
次の日に会社に行く時の
不安と緊張感が
チャンミンの
優しさに包まれて
緩和される。
泣いてしまいそうだから
声は出さずに
笑顔だけ返して
私は会社に向かった。
ありがとう・・チャンミン――





