チャンミンの
腕の中に
居たら
震えが治まって来た。
安心する・・・
この頼もしい彼が
私の恋人で
よかったと
心から思う――
チャンミンは
もう怒っていない。
そうじゃない?・・
本当はまだ怒っているけど
私が泣くから
気持ちを抑えているのかな・・
優しい人――
リビングに
移ってからも
浮かない表情の私を
気にしているのが
伝わってくる。
テレビを観ながら
コメントを言っては
私に話しかけてくれる。
チャンミン・・・
そうされるたびに
反省と自己嫌悪と
これからの自分について
考えさせられて
もっと落ちていく。
そんな私を見かねた
チャンミンが
肩を抱き寄せて
私の頭をチャンミンの
肩にそっと倒した。
もたれかかった肩・・
頭の上で
チャンミンの声がする――
「何考えてる?」
「・・私・・こんなだから
たくさん考えることあるみたい・・・」
「何?」
その声は
どこまでも優しいから
ジーンとして
泣きそうになる。
「バカな自分を
反省して・・・」
「うん・・」
「どうしてこんななのかなって
自己嫌悪になって・・」
「うん・・」
「これから
どうしようって考えてた・・」
「うん・・」
"うん”と相槌を打ちながら
髪を撫ぜるチャンミン・・・
どうしてそんなに
優しいの?
いつも私が
窮地に立たされた時に
助けてくれるチャンミン――
私はチャンミンに
何もしてあげられてないね・・・
「・・こんな私が
チャンミンの彼女で
いいのかな・・・」
「他に誰かいる?
そんな〇〇と付き合える人――」
「・・・」
「だろ?」
「・・私はいいんだよ・・
チャンミン以外の人なんて
考えらえないし、
チャンミン以上なんて
これから先
現れるわけないもん・・・
でもチャンミンは・・
チャンミンならもっと
良い人見つかるかも・・よ?」
言いながら
チャンミンが
本当にそんな風に
考えたら
どうしようって
思えてきた。
「良い人?
どんな人?」
「・・しっかりしてて
チャンミンが
心配しなくても済むような人・・」
「確かに
たくさん居そうだな。」
「・・・」
やっぱり
そう思っちゃうよね・・・
自分で言いだしたことに
共感されて落ち込む私――
「なんだよ?
自分で言ったんだろ?」
チャンミンは
笑う。
「だって・・・」
「何?・・ハハ・・
お風呂入る?」
「・・入らない。
先入っていいよ・・」
そんな気分になれないよ・・
「じゃ、入ってくる。」
「・・・」
ソファーから
立ち上がって
バスルームに
向かう―――
「たくさん居る”良い人”より
僕は〇〇の方が
良いよ――」
途中でチャンミンが
さりげなく
そう言った。
え!?今・・・・
聞こえた言葉の
嬉しさに
バスルームに
駆け込んだ―――
「うわぁっ!ちょっと
何!?!!」
お風呂に入るため
脱ぎ始めていた
チャンミンが
駆け込んできた
私に驚いて言った。
でもそんなことより――
「もう一回言って?」
「何を?・・」
「さっきの!」
「ん?・・」
「たくさん居る”良い人”よりって・・・」
「あ~・・・」
言ってくれるのかと
思いきや
服を脱ぎだすチャンミン――
期待して
待っていたのに・・
「なんだっけ?・・
忘れた・・・」
「え!?忘れないでしょ!?
さっきだよ!今、さっき!!!」
「ん~・・・」
”何だったけな~・・・”って
わざとな
気がするけど・・
「思いだしてよ!!」
「ん~そうだなぁ・・
お風呂入ったら
思いだすかも。
一緒に入る?」
「!?・・」
何でそうなるの!?・・
「思いだしたら
すぐ伝えた方が
いいだろ?」
「ん!?・・
本当に忘れた?・・」
本当だったら
ショックなんだけど・・
!?・・
「あ・・ちょっと・・」
チャンミンの手が
私の服に伸びてきた。
「脱ぐの手伝う?」
「!!・・いい!!」
入るなんて
言ってないのに・・
「そ・・じゃあ先入ってるから。」
え!?・・
全部脱いで
お風呂に
入って行っちゃった!!
お風呂に一緒に
入るのって苦手で
いつも”イヤ”って
断って来た。
だって恥ずかしい・・・
体は見慣れているとしても・・・
何となく
このプライベート空間だけは
一人で過ごしたい場所だった。
でも・・・・
「あ!思いだしたかも!!
早く来ないと
忘れる~・・・」
浴室から
チャンミンの声が聞こえる。
「そこで言って!?」
「イヤっ!!!
早く来いよ?」
・・・あの・・(*v.v)。
お風呂には一緒に
入りたくなかったけど
少なからず
”早く来いよ”に
ドキッとした・・
もうチャンミンが
確信犯なのは
わかってる。
お風呂は嫌だけど・・
でもチャンミンが・・・・
・・ゆっくり服を
脱ぎ始めた。
あー!!でもっっ!!!!
全部脱ぎ捨てて
チャンミンの待つ
浴室に入る前に
電気をパチッと消した。
これなら大丈夫!
「何で消すんだよ!?
・・見えない!!」
見えなくて
いいんだもん♪
バスタブに
入りこんだ。
足を伸ばして
入っているチャンミンの
足元に
小さくなった。
「入ったよ・・」
言って?・・
もう一回・・・・
「・・こっち・・」
腕を伸ばして
私の体を引き寄せた。
チャンミンの足の間に
体は納められ
背中にチャンミンを
感じる・・
(//・_・//)
「・・そんなに
聞きたい?」
水面から出た
肩にチャンミンが
お湯をかけてくれながら問う――
「うん・・聞きたい。」
だって
すごく嬉しかったんだもん・・
もっとちゃんと
聞きたい・・
いつもみたいに
”しょうがないなぁ”って
笑った後
言ってくれた。
「たくさん居る良い人より
僕は〇〇の方が良いよ――
〇〇の代わりは
誰も出来ないから・・」
!!・・
あれ・・もっとすごい
答え返って来ちゃった!!!!
やだ・・どうしよう・・
嬉し過ぎて
おかしくなりそう・・
私は後ろにいる
チャンミンを振り返って見た――
大好き!!!
数秒間
見つめ合った・・・
その瞳に
吸い寄せられて
唇を重ねた。
のぼせそう・・・
上気する体―――
チャンミンのせいだよ?
深い口づけは
お互いを求めあっている――












