家に帰るまでチャンミンが

振り向くことは

一度もなかった。


途中

信号で私だけ

足止めされても

チャンミンは

構わず歩いて行って

しまった。


怒ってる・・・・


チャンミンより

遅れて帰って

チャンミンの部屋を

覗く。


「チャンミン・・・」


静かに呼びかけたら

こっちを向いた。


東方神起~妄想ラブストーリー~


「わかってる?」


呆れた顔の

重たい声――


怒りを抑えようと

しているのがわかる。


「うん・・・でも大事な

仕事の打ち合わせだったの・・」


そう言った途端に

抑えていた

チャンミンが爆発したみたいに

なった。




東方神起~妄想ラブストーリー~


「仕事の打ち合わせで

ホテルの部屋なんて

使うわけないだろ?

あんなに強引にされて

わからなかったの?

いつも言ってるだろ?」


「資料が部屋にあるからって・・」


「部屋にあるなら

持ってきてもらえば

良かっただろ?

一緒に行く必要なんて

なかったはず・・」


私だって

断ったのに・・


それでも

仕事だからと思って

どうしようもなくて・・・・


私もいろんな感情が

混ざり合って

抑えが利かなくなった。


「断ったよ!

でも仕事なの

相手に言われたら

仕方がないでしょ!?

女だからって

自意識過剰にしてたら

仕事なんて

出来ないよっ!!!」



「じゃあ仕事なんて

しないでください!」


「チャンミンっっ!!

何言ってるの?

会社にとっても

大きな案件だったの!」


「会社のために

自分を犠牲にするつもりだった?」


自分を犠牲だなんて・・・


「するわけないよ!」

「じゃあ僕が居なかったら

どうなってたか

わかってる!?」


それは・・・


わかってるけど

こんなに責められると

素直に

認められない自分がいて・・


「社長がすぐに来たでしょ?」



東方神起~妄想ラブストーリー~


「それ

本気で言ってる?」


「・・・・

打ち合わせしてても

社長がすぐに来たから

2人きりにはならなかったよ。」


会社にとって

大事な仕事を逃すことに

なったかも―――


なんてチャンミンを

責めた・・・・


「社長が来たら

ドアが開くとでも

思った?・・開けるわけ

ないだろ?本当の打ち合わせじゃ

ないんだから。」


「チャンミン!」


「あんな強引に

手を引かれて

打ち合わせだと言える?」


「・・・・」



東方神起~妄想ラブストーリー~



「僕が居なかったら

今頃どうなってたか

わかるだろ?

それが〇〇の言う

大事な仕事だっていうなら

そんな仕事させる会社なんて

辞めろよ!

そもそも営業なんて

無理だろ!?

〇〇はクリエイターだ。」


営業なんて無理・・


無理だよ!!無理だけど

やらなきゃいけないんだもん!!!


「・・チャンミンは

もっと仕事に理解の

ある人だと思ってた・・」


「仕事ってっっ!」


「もういいっっ!!!!」


私はチャンミンの部屋を

飛び出して

自分の部屋に入った。


チャンミンが言ったことが

全部正しいとわかってるから

余計に悔しくてどうしようも

なくて・・・


暗い部屋に

入って

チャンミンが居なかったら

どうなっていたのかと

思ったら

急に怖くなってきた。




東方神起~妄想ラブストーリー~



「〇〇!」


まだ言い足りない

チャンミンが

部屋に入って来た。


私は

今頃になって

恐怖に体の震えが

止まらない。


「出て行って・・

着替えたいの・・」


手が振るえて

ジャケットのボタンも

外せないくせに・・


「○〇・・」


チャンミンの手が

肩に乗せられた時

その温度に

心がジーンと

なって涙が溢れていた。



東方神起~妄想ラブストーリー~


「・・ごめん・・

言い過ぎた・・・」


チャンミンが

私を胸の中におさめた。


・・悪いのは

私なのに・・・


「チャンミン・・・

ごめん・・・

ありがと・・・

私・・・」


怖かった・・・


最後まで言う前に

チャンミンは――


「わかってる・・」


って言って

抱き締めてくれた。