「ねぇジェジュン・・
チャンミンって
本当にオムレツ
初めて作ったのかな?」
片付けながら
ジェジュンに聞いた。
「うん。
そうじゃない?
料理してるの自体
初めてみたから・・・」
「へ~・・そうなんだ・・」
本当だったんだ・・
「ジェジュン!
料理教えてくれない?」
何で急にそんなこと
言ったんだろう・・
チャンミンにバカにされたのが
悔しかったから?
よくわらかないけど
衝動的にそう言っていた。
ジェジュンが帰った後
面接用の企画を
考えるために
部屋に籠った。
でも全然捗らなくて
場所をリビングに移した。
こっちのが
落ち着くかも・・・
リビングの机いっぱいに
企画を考えるための
資料を広げる。
これは私の癖。
あーでもない
こうでもないって
色んな物をみながら
想像しながら
考える。
企画案が固まるまで
回りはぐちゃぐちゃ・・・
何日も寝ないこともある。
そうして
生まれた企画が
世に出た時
本当に達成感を感じる。
だからこの仕事は
止められない。
今回は面接用だから
世に出ることは
ないのだけど
手抜きは出来ない。
就職もかかっているしね・・
「何してるんですか?」
あ・・いつの間に!?
「面接のための
資料作り・・」
「へ~・・
見てもいいですか?」
「ん?・・うん・・」
片付けろって
怒られると
思ったから
意外な感じ。
チャンミンは
しばらく私が作った
資料をパラパラと
めくって見ていた。
わかるの?
そう言えば
チャンミンって
何してる人なんだろ?
聞いたこと
なかったな・・・・
だけど聞く前に―――
「頑張ってください。」
あ・・え・・?・・
チャンミンから
初めて向けられた
その笑顔に
不覚にも
胸がドキンって音を
立てて苦しくなった。
「あ・・(//・_・//)
うん・・ありがと・・」
やだ・・私
どうしたんだろ・・・・
いつも笑わない人が
笑うとこんなにも
びっくりするもの?
胸のドキドキが
止まらなかった。
次の朝
リビングの資料の中で
目を覚ました。
もうチャンミンは
出掛けた後だった。
それから
また作業に集中する――
そしてまた時間が
経つのを忘れてしまう。
日が暮れていたのも
気づかなかった。
パソコンの明かりだけで
部屋が真っ暗になっていた。
その中に
浮かびあがった人影――
「わっ!!チャンミン・・」
「居たんですか?」
仕事から
帰って来た
チャンミンが
パチっと電気を点けた。
う・・眩しい・・
「お帰り・・
もうそんな時間なんだね。」
「・・ずっと面接のための
資料作りですか?」
「うん。
なかなかまとまらなくて・・」
「・・・」
チャンミンが
私の前に座って
持っていたカバンから
パソコンとファイルを
取りだし始めた。
「何してるの?」
「仕事します。」
「え?ここで?」
「はい。」
はいって・・
「どうして!?」
私の資料でいっぱいなの
見えるでしょ?
「僕の部屋、
クーラー壊れてるんです。
だからここで。
邪魔なら
自分の部屋に
行ってください。」
何それ・・
私のが先に居たんだよ!?
昨日から
座ってるんだよ!?
どうして私が
どかなきゃいけないの?
私も譲らなかった。
環境が変わると
気持ちが変わる――
少し行き詰っていた
企画案だけど
チャンミンと会話をした
ことで気持ちが逸れて
また違う方向から
考えて見ることが出来た。
何かいいかも♪この企画案――
ふぅぅ~
一息つく。
チャンミンとは
帰って来たとき
話したきり話していない。
目の前に座っているのに・・・・
お互い集中していたみたい。
チャンミンはまだ
真剣にパソコンを
いじってる。
そんな真剣な顔して
どんなお仕事してるの?
ちょっとその手元の
資料を遠目に
覗いてみる。
・・良く見えない。
「なんですか?」
あ・・バレた。
「・・何してるのかなと
思って。チャンミンって
どんなお仕事してるの?」
「主に企画を担当してます。」
「企画?どんな?」
「それは社外秘です。」
え・・そんな細かいことまで
聞いてないじゃん・・
まぁいいや・・
「ね、お腹空かない?」
「そうですね。」
24時間やっている
スーパーまでは
少し離れている。
でも種類を考えると
コンビニより
スーパーのが良い。
二人で行けば
話しているうちに
すぐ着くし・・
「何か買いに行こうよ?」
「行って来てください。」
「え?要らないの。」
お腹空いたって
言ったよね?
「要ります。」
え・・じゃあさぁ・・
「じゃあ行こうよ。」
「まだ仕事中です。」
「え~・・」
って何この
恋人に甘えるみたいな
会話・・・
良い企画案が出来た
達成感で
気分が良くて
浮かれちゃってたみたい。
ちょっと恥ずかしい・・
一人で行こう。
これ以上言ったら
怒られそうだし・・
そう思ったら――
「あと1時間は
かかりますよ。」
待ってますか?――
・・キュン・・(//・_・//)
何その顔!!
反則でしょ!?
斜め下から
上目遣いに見上げる
大きな瞳・・・
「・・無理。
お腹空いたもん!」
「じゃ、行ってきてください。
コンビニだったら
近いでしょ。」
「うん。
わかった行ってくる。」
急に素直になったのは
顔が赤らむ前に
ここから
立ち上がりたかったから。
部屋からお財布を
持ってきて
リビングを
通り過ぎるとき
チャンミンに
言われた。
「おにぎり2個と
カップラーメン。
あと水。」
お願いします――
!!!?
走りじゃんっ私!!!
でも言い返さずに
部屋を出た。






