朝起きると
洗面所で〇〇さんが
顔を洗っていた。
変な感じだ・・・
あんなに憧れた
〇〇さんが
僕の部屋にいる。
しかもパジャマ姿に
すっぴん――
僕に気づいた
〇〇さんが
”もう起きたの?”と言った。
”もう”って言うほど
早い時間じゃない。
「仕事に行かなきゃ。
○○さんは?
何時に出るんですか?」
彼女が仕事を辞めたのは
知っている。
でも意地悪く聞いた。
なぜ辞めたんですか?
本当はそう問いたかった。
でもそれは口にしなかった。
まだ認められない。
目の前にいる
仕事も家もない
不器用な彼女が
○○さんだってこと・・・
だから彼女を見ると
意地悪したくなるんだ。
「へぇ~・・
じゃあせいぜい
貯金もない・・なんてことに
ならないように
頑張ってください。」
そんな憎まれ口を
叩いて家を出た。
でもちょっと言い過ぎたような
気がしていた。
だから
昨日も早く切り上げて
溜まっている仕事を
家に持ち帰ることにして
今日も早めに退社した。
でも心配する必要
なかったみたいですね!
家に帰ると
笑い声を響かせて
ジェジュンさんと
楽しそうに会話をしていた。
そしてまた僕は
憎まれ口をたたく。
「部屋は見つかったんですか?」
そんなにすぐに
見つかるはずないのに・・・
食事中も
ジェジュンさんと〇〇さんは
何かと会話をしていた。
初対面なのに
仲が良い二人―――
外見は憧れだった頃の
〇〇さんだから
二人が楽しそうに
しているのを見ると
少し胸が疼くのは確か。
でも中身は憧れの人じゃない。
だから別に
○○さんが
誰と仲良くなろうと
関係ないとも思える。
そんな葛藤を
自分の中で繰り返していた。
ジェジュンさんに
部屋探しに付き合って
あげれば?と言われた時も
その提案を
冷たく撥ね退けた。
なぜ僕が?
「好きで住んでいる
わけじゃありません!」
「私だって好きで
住んでるわけじゃ
ないんだからっ!!
もしかしたら
反対の立場だったかも
知れないんだからね!
ちょっとは私の気持ちも・・・」
そこまで言われて
思わず彼女を睨んでしまったけど・・・
今回の一番の被害者は
〇〇さんだ。
何も知らずここにいる。
僕にも責任があるから
ジェジュンさんの申し出を
断る〇〇さんに言う―――
「素直に受け入れたら
いいじゃないですか。」
水曜日まで
あなたとここで
暮すこと?
嫌ですよ・・・
でも―――
「でも・・・
条件緩めて
変な部屋に住まれるよりは
マシです。」
それに
他にもやること
あるはずです。
「水曜日、ジェジュンさんと
部屋探しに行ってきて
ください。
それまでは
職探しでもしたら
どうですか?」
ずっと無職で
いるつもりですか?――
どうして次の職場も
決めずに辞めたんですか?
あなたの才能・・・
そのまま捨ててしまうのは
勿体ないですよ。
僕が見てきた
○○さんの仕事の成果――
それだけは
本物だと思うから・・



