次にジュンスを見たのは

社長就任式だった。


遠くの舞台上で

スーツをビシッと

決めたジュンスが

話していた。



東方神起~妄想ラブストーリー~


前社長の意識は

戻り回復には

向かっているけど

先のことを考えて

ここでジュンスに

会社を任せる

決断をくだされた。


おかげで

ジュンスは雲の

上の人のように

遠い存在になった。


就任式が

終わってフロアに

戻ってきた

社員達も

言っていた。


「本当に

社長の息子だったんだなぁ。

何かすっげぇ遠い人に

なったって感じだよな。」



私もそう思った。


だけど・・


「〇〇さんは

そんなことないですよね?

ジュンスと仲良いから。

この前も

病室の前で親密そうに

話してたし・・」


!!横井さん!?

何言ってるの!?!?


「え!?そうなんですか!?」


好奇の目にさらされた。



「え・・違うよ。」


「そういえば

この前の出張・・

一部屋分しか

領収書なかった!」

「そーなんですか!?

〇〇さーん!!」


「ちょっとちょっと・・

違うってば!

変な想像してないで

仕事して。」



「違うんですか?

じゃあ私

頑張っちゃおうかな。」


!?


「横井さんが!?」


一緒に話していた

男性社員が

驚いて聞き返した。


狙われても

絶対に堕ちない女の

横井さんが

自らジュンスを

落そうって言うんだから

そりゃ驚くよね。


どうして

横井さんが毎日

病院に通っていたのか、

急にジュンスに

猫撫で声になったのか、

すべてわかった。


ジュンスは

小さくもない

この会社の社長――


横井さんの

相手にふさわしいってこと?



東方神起~妄想ラブストーリー~


社長に就任してからと

言うもの

会社のどこかで

ジュンスを見るたび

忙しそうに

している。



私は近寄ることも

恐れ多くなってしまったのに

横井さんは

平気でジュンスを

追いかける。


出掛けるために

車に乗り込むジュンスを

見かけた。


今日も忙しそう・・・


なのに

そんなジュンスに

声をかける横井さんの

姿が隣にあった。


ジュンスは

横井さんと

少し会話をすると

車で出て行った。


何を・・話したのかな?


そこは

やっぱり気になる。

「あ・・〇〇さん?

○○さんも

ジュンスに用でしたか?」


ぼーっと見ていたら

横井さんに見つかった。


「違うよ、

通りかかっただけ。」


「そうですか。

ジュンス、今日は

早く終わるみたいです。

食事付き合ってくれるって。」


勝ち誇った顔で

言われて

平静を装うのが

大変だった。


「!!?・・

そ・・そうなんだ。

どうして私にそんなこと?」


「弄ばないでって

前に言われたから。」


「弄ばないで!

今もそう思ってる。」


「そうですか。

じゃあ大丈夫です。

私、真剣ですから。」


興味ないって

言ったくせに・・


ジュンスが

社長になった途端に

この態度。


でもジュンスが

会うって言ったの?


東方神起~妄想ラブストーリー~


横井さんが

振り向いてくれないと

言って悩んでいた頃の

ジュンスが思いだされた。


横井さんが

ジュンスを追いかけるように

なってジュンスは今・・幸せ?


体を重ね合わせたのは

私が誘ったから・・


ただそれだけ

だったのかな。


勘違いしてしまう

ところだった。


やっぱり

違うんだよね・・・


わかってる・・

わかってたから

私は大丈夫―――