東方神起~妄想ラブストーリー~


サッカー観戦以来

ジュンスとは

すっかり気が合っていた。


「〇〇さん

昨日の試合見ました?」

「まだ見てない。

昨日出かけてたから録画。」


「え?見てないんですか?

え~あんな・・」

「あぁぁぁちょっと言わないでよ!?

今日帰ってからの

楽しみにしてるんだから。」


昨日のサッカーの試合の

テレビ中継――


リアルタイムで見れなかったから

録画した。


試合結果は

見るまで知りたくないから

ニュースも新聞もネットも

見ないようにしてきた。


「ウッハハハハ

僕言いたいです!」

「ダメ!」


「だってあのゴー・・」

「あ!もっ!!ダメって。

明日にして明日。

私これから

新商品のキャンペーンの

打ち合わせあるから

もう行かなきゃ。」


そのうち

結果を口にしてしまいそうな

ジュンスから逃げた。



新商品のキャンペーンの

打ち合わせ――


会議室に行ったら

販促目的で使う予定の

着ぐるみの候補が

たくさん置いてあった。


可愛いけど・・・

誰が着るんだろ?


打ち合わせが終わって

戻って来たら

またジュンスが

いつものように

横井さんを誘っていた。



東方神起~妄想ラブストーリー~


何度断られても

立ち向かっていく

その精神力には

感心するものがある。


横井さんのことが

よっぽど

気に入っているんだね。


ジュンスは

面白いし

可愛い所もあるし

それでいて

男らしさもちゃんと

持っていて

付き合うのに

申し分ないと思うのに・・


横井さんは

何が気に入らないんだろうと

思ってしまう。


きっとモテる女は

条件がもっと厳しいん

でしょうね~・・


私には関係ない話。





新商品のPRで

商品を扱ってくれる

大型スーパーや

量販店でキャンペーンを

することになった。


打ち合わせの時に

会議室に置いてあった

誰が着るんだろうと

思っていた着ぐるみ―――




東方神起~妄想ラブストーリー~


「〇〇さん・・・

ハチって商品に関係

ありますか?」


「アッハハハハハ

ジュンス~!!ハハハ・・」



私とジュンスが

ペアになって

この店舗を

担当することになった。


他の店舗には

別のペアが行っていて

そこでも誰かが

着ぐるみを着ているはず・・・


ここでは

一応

私は先輩だから

ジュンスが着ることになった。


「酷いですよ~!!

そんなに笑って・・」

「え?あ・・ごめんごめん。

すごく似合ってるよ!」


「それ

褒めてるんですか?」


あまり笑うと

ジュンスが怒るから

そこから笑わないように

我慢した。


でも可愛い・・

ミツバチジュンス・・・( ´艸`)



大型スーパーは

子連れのお客さんが

多くて

ミツバチジュンスは子供たちに

大人気だった。


商品もそれなりに

売れて

着ぐるみの販促効果は

あったんだと思う。


東方神起~妄想ラブストーリー~


「あぁぁ~

疲れました~・・・」


控室に借りた部屋に

入ると

倒れ込んだジュンス――


「お疲れ様。

意外と大変なんだよね

着ぐるみって・・」


「ん?〇〇さんも

やったことあるんですか?」


ジュンスが

体を起こして聞いた。


「あるよ。

前は

結構やってたよ。」


「なんですか?」


「羊とかパンダとか・・

あとウサギ?

暑いんだよね~!!!」


「そう!

そうなんですよ!!

ほんっと暑いです!

どうにかなりませんかね・・」


手で仰ぎながら

そう言っているジュンスは

まだミツバチのまま。


「ねぇもう

脱いだらいいんじゃない?」


「あっ!そっか。

アハハハハハ」


気づいてなかったんだ!?


そのまま帰るつもりだったの?


それでもいいんだけど

ちょっと車に乗りにくいかもね。


ジュンスには

憎めない

可愛さがある―――