せっかく薬品庫で
〇〇が俺を
求めようとしたのに
ジュンスに
持って行かれた。
今日もそう・・
俺の講義中に
二人がひそひそと
話しているのは
いつものことだけど
何だよ!?
おいっ!!!
二人で
抜け出して
どこに行くつもりだよ!?!?
俺は講義をしているから
追いかけることも
出来ず
後ろのドアから
こっそりと
抜け出す二人を
見て不安を
募らせるしかなかった。
上の空の講義――
「今日はキリがいいから
ここまでにしよう――」
そう言って
講義を終わらせたのは
全然キリもよくない
ところで
講義時間は30分以上
残っていた。
早めに切り上げて
研究室に戻ると
二人はもう
所定の位置に
戻っていた。
なんだ・・気にし過ぎだった?
ほっとしたのも
束の間――
二人が講義を
抜け出した日から
〇〇の様子が
おかしくなった気がする。
初めは
気のせいかとも思ったけど・・・
俺を避けてる!?よな・・
気づいてしまったからには
理由が気になる――
「おい!
何で俺を避けてるんだよ?」
廊下ですれ違った
〇〇に話しかける。
〇〇は避けてないと
白を切る。
そんなはずないだろ?
ちょっと
荒っぽい方法だけど―――
壁に手をつき
通り過ぎようとした
〇〇の行く手を
阻んだ。
「何が避けてないだよ?
避けてるだろ?
何だよ?言えよ??」
そんな俺に
〇〇は驚いていたけど
観念したように
話し出した。
ジュンスの彼女のこと―――
ジュンス・・
余計なことを!!
ジュンスのことを
気にする〇〇に
ジュンスのことが
好きかと聞いたら
すぐに
首を横に振って
否定した。
だよな・・
だって〇〇の話って
俺のこと好きって言ってる
ようなもんだろ?
安心した俺――
「だったら
気にすんなよ。」
「でも・・」
「いいから。
ジュンスのことは
俺が何とかするから。
お前は普通にしてろ。」
「何とかって??」
「いいから――」
ジュンスが
上手く行ってないのが
問題なんだよな?
俺が何とかする!!
不安そうな
表情の〇〇・・
俺って
そんなに信用ない?
「ハハ・・
大丈夫だって。
俺に任して――」
肩をポンポンと
軽く叩いて
〇〇の横を
通り過ぎる俺――
「お前は
いつも通りに
してろよ?
俺、寂しいじゃん?」
そう言った。
寂しいって・・・
本当のこと。
俺・・お前のこと
手に入れたくて
仕方ないんだから――



