どうして知ったのか
知らないけど
いつからか
〇〇が俺の講義を
聴きに来るようになった。
決まって授業が
始まって少ししてから
こっそりと教室に
入って来て
一番後ろの隅の席に
座る。
目立たないように
してるつもりか?
全然
見えてるよ?
そして授業中は
俺のことを
ずっと見てる。
俺が授業しているから
当たり前なのか・・・
でも俺に全く
関心がなかった頃に
比べたら
進歩した。
だけど気になる
ことが一つある―――
ジュンスと並んで
授業を受けていること。
あんなに避けていた
ジュンスを〇〇は
避けなくなった。
何があったんだ?・・
そもそも〇〇が
ジュンスを避けて
いた理由ってなに?
二人は
授業中に
こそこそと
話して笑っていることが多くて
気が散って仕方がない。
大人しく話して
いるだけなら
まだいいのに
最後には人の
顔を見て
大笑いし出す
ジュンスと〇〇―――
楽しそうで・・・
嫉妬する。
「おい!
お前たち
また何か言ってただろ?」
俺の問いに
〇〇が悪戯な顔をして
答える。
「え?
何にも言ってないよ・・
ね?ジュンス――」
「行こ行こっ!
研究しなきゃね~♪」
呼びかける
俺を無視して
研究室に
戻って行く。
でも必ず振り返る――
「行かないの?」
笑顔で俺を
誘うんだ・・
連れないくせに
俺を誘う・・
○○には
惑わされてばかりだ。



