資料を手にして

戻って行く〇〇――


俺も資料室を出て

研究室に戻る。


席に座ろうとして

ふと見ると〇〇が

立ったまま

携帯のメールを

チェックして

表情を緩ませていた。


?・・


そのまま

しばらく見ていた――

東方神起~妄想ラブストーリー~


メールを打っては

ソワソワして・・


着信があると

頬を緩める。


ふーん・・・


恋人いたんだ?


だから俺に

興味がなかったわけね・・


俺に興味がない

理由がわかって

すっきりしたはずなのに

メールを見ては

浮いたり沈んだりする

〇〇の表情から

目が離せなくなっていた。


なぜだろう・・

気になるんだ・・



東方神起~妄想ラブストーリー~


「一緒に帰らない?」


誘ってみた。


断られることは

想定内だから

俺は強行突破で

電気を消して

帰らざるを得ない

状況を作り出そうと思ったら・・・


「ちょっと・・」


思った以上の効果で

慌てて帰り支度をして

〇〇が部屋から

飛び出してきた。


そういえば・・


俺は昼間のことを

思いだした。


資料室には窓がなくて

陽が差さないけど

昼間ならドアを

開けて置けば

十分に明るいのに

煌々と電気を点けた○○―――



東方神起~妄想ラブストーリー~


もしかして――


「暗いの怖いんだ?」


俺の言葉に

慌てて否定しているけど・・


「え!?っっ!!!」


廊下の電気を

消したら

怯えた声を出して

俺の袖を掴んだ。


「ハハハハハ・・」


やっぱり!


なんか

可愛いんだけど・・

東方神起~妄想ラブストーリー~

「怖いんじゃん?」


そう言った俺に

動揺を見せながら

返って来た言葉――


「・・別に怖くないよ。

驚いただけだよ・・

暗いのは見えないから

ちょっと苦手なだけで・・

怖くはない・・よ・・」


”苦手なだけ”って・・

怖いって素直に

言えばいいのに。


足早に歩いて行く

〇〇を追いかけて

横に並ぶ。


俺・・この子

ちょっと好きかも・・



まだタクシーで帰ると言い張る

〇〇を強引に車に乗せた。


もう少し話してみたかった。


でも車に乗ったら

〇〇は全然話さなくなって

何だか落ち着かない?


シートも倒さないし

連れない態度――


そのうちに〇〇の携帯が

鳴って話し出した〇〇。


でも俺と話してる時と

全然態度が違った。


”チャンミン”?・・


男?


昼間にメールしてた人??


俺はわざと

くしゃみをして・・


わざとスピードを出して

Uターンをして・・・


東方神起~妄想ラブストーリー~



何だろう・・


すごく気になるんだよね――


〇〇のこと・・


〇〇は俺の奇行に

怒ってしまったみたいだけど――